shin-1さんの日記

○五行歌に思う

 普通だと締め切りが近づいて、到着せねば「切り捨て御免」となるところなのですが、主催者の温情に助けられて、「忘れていませんか?。締め切りが近づいていますよ」と、前回も今回も優しいメールをいただきました。デジタルのお陰を存分にいただき、格好よく言えばインスピレーション(ひらめき)、格好悪く言えばその場しのぎの思いつきで前回も今回も駄作を投句してしまいました。

 2~3日前、松山五行歌会主催者の見山あつこさんから、見覚えのある色の封書が届きました。「おっ、届いたな」とワクワクしながら郵便受けから取り出して早速封を切り、歌会作品と☆印のついた選評を4枚全て立ち読みのような形で読みました。

 出席歌、つまり月一で開かれる歌会に作品を持参する人の部で今回の一位は、見出丘さんの「心を開く 開いた心は 覗かれる 恥しい心のまま 覗かれる」でした。ちなみに二位は郡誠子さんの「まだ 間に合う 微熱だが 鉄は 熱を持っている」、三位は姫川未知絵さんの「準主役だよねと 両家の母も 次々と 留袖を羽織って 衣装選び」、四位は永井純子さんの「衣替え 春を たたんで 夏を 取り出す」、同じく四位は見山あつこさんの「ジューンブライドの 昔の夢を 忘れてしまえば そこそこ幸せな 珊瑚婚式」でした。


 さて一度も歌会に出席したことのない私は、今回も欠席歌の部です。一位は紅梅さんの「今折れそうなんです だから糊でくっつけたり テープを巻いたり 協力接着剤を使ってみたり うーんうまくいかんな私の心」でした。私の駄作は『人「知ってるか」 私「知らん」 人「知らんのはあんただけ」 私「教えて」 人「教えるが誰にも言うなよ」』ですが、何故か私の作品に(二位)の朱書きが加えられていました。

 選評の☆には、「下読みの段階からあちらこちらでクスクスと笑い声。自分の言っていることの矛盾に、ひょっとしたら本人だけが気付いていないの?。この話が本当なら口止めする必要がないのにと思うと、もったいぶった言い方可笑しいですね。内容の面白さと、シナリオの一部みたいな表現法が新鮮と高得点。『人』と『私』を入れ替えたり、夫婦の会話にして読む(その場合三行目は『知らんのはお前だけ』に)それもまた楽しそうです。」と丁寧なコメントをいただきました。

 欠席した人の歌にまでこうして丁寧に取り扱って下さり、いやはや恐縮です。はてさて私の歌はいかほどの値打ちがあるのか、人の歌を読んで根本的な欠点に気付きました。私の歌は風刺歌です。毎日ブログに書いている句も笑売啖呵(しょうばいたんか)はまさに風刺でどちらかというと川柳に似ています。皆さんの歌は文芸調で格式があり心のひだに触れるような作品が多いのです。

 諦めて早々と撤退することも多少考えていますが、勧めてくれた玉井さんやこうして丁寧に選評していただいている見山さんに顔向けも出来ないので、とにかく今年一年は駄作ながら修行してみようと思っています。嬉しいことに五行歌は縛りのない自由律で私の性格にぴったりです。

 そこで今日は笑売啖呵ならぬ五行歌でしめました。

  「カブト虫 どこに居るか?」と孫に問う 「デパート六階」すました顔で 参った参った 爺ちゃん古い   

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