○海猿はまるで山猿みたいに木の上で生活
この二日間、人間牧場の梅林で梅の収穫をしました。例年のことながら梅の収穫は楽しみの一つに違いのない年中作業なのですが、中々骨が折れるのです。というのも「桜切る馬鹿梅切らん馬鹿」と言われるように、梅は剪定しないと実をつけないそうなのに、わが家の梅の木はこれまで殆ど剪定をしたことがなく、いわば自然仕立て状態なのです。しかも施肥も消毒もしないとあっては、枯れるに任せる運命にあるのでしょうが、どうしてどうしてこれが元気で、心配はするもののこれが多少の豊作不作はあるものの、マメに実をつけてくれるのです。
例年5月の終わりから6月の始めに収穫することが恒例になっていて、今年は多少春先の寒さを考慮してこの二日間収穫をしました。天気予報は「晴れ時々曇り、処によって雨」と、晴れ・曇り・雨のどれを信じてよいか分からないようでしたが、天気予報は良く当たるもので、朝は晴天、昼頃は曇り、昼過ぎにわか雨があり、多少濡れたり雨宿りをしたりしながら梅の収穫に挑みました。
梅の収穫て一番困るのは梅ノ木が棘で覆われているということです。まるで棘の中へ入っていくようで、少し厚手の作業着を着ているにもかかわらず体中棘が刺さったり引っかいたりで、生傷だらけになりました。その度に「今年こそは剪定をするぞ」と頚椎するのですが、剪定によって梅の木が枯れたり収穫ができなくなってはと、今年も多分躊躇するだろうと予測しながら分け入りました。
今年は梅の実の収穫の小道具を用意しました。カギみざわというフック付きの棒と、S字型の針金棒を用意しました。地上から高いところはカギみざわで、木の上では針金棒を器用に使い分けて収穫作業を行いました。しかし老いの身にはまるで猿のようにこの二日間、収穫袋を型にぶら下げて木の上で作業するため、ほとほと疲れました。
木登りは少年の頃から得意で、楽しみの一つだったのは過去のことです。地下足袋の出で立ちで木の枝から枝へ渡り歩きまるで猿みたいな行動を余儀なくされるのです。作業の途中にズボンのポケットに入れている携帯電話が何度も鳴って、その都度木の上で電話交信しました。
昨日は夜7時から双海史談会の講演会が予定されているので、残った実を収穫せず午後5時で作業を打ち切り山を下りました。
「この二日 山猿のよう 木の上で 梅の収穫 ほとほと疲れ」
「梅切らぬ 馬鹿の仕打ちで 藪の中 それでも木々は 梅の実たわわ」
「体中 引っかき傷や 刺され傷 妻は薬を 塗って慰労す」
「今年こそ 剪定するぞと 意気込むが はてさて作業 いつになるやら」