○蒟蒻を植える
人間牧場には春の訪れを告げるように蕗が今を盛りと茂っています。最近はこの蕗がえらい人気で、沢山の人が欲しい欲しいとやって来ては取って帰るのです。ふつう山に自生している蕗は地主の相談もなく誰かれなく取って帰るのが普通の山歩きの楽しみになっているよですが、本当は持ち主の許可を得なければならないのです。先日も畑に植えていたツワブキを殆ど取られたと農家の方は嘆いていましたし、私が人間牧場のロケーション風呂の入り口に風流を楽しむために植えているツワブキの新芽も昨日行って見るとごっそり引き抜かれていました。蕗も畑のあちらこちらに蕗を取ったと思われる葉っぱが散乱し、少し重苦しい気分になりました。
昨日は久しぶりに妻と二人で大洲の温泉に出かけました。このところ叔父の葬儀などで忙しくてお互いお疲れモードなので午後から出かけました。帰りに迂回して人間牧場へ出かけ、先日種物屋で買った蒟蒻芋を植えました。何処へ植えるか思案しましたが、結局はイモヅルを育てている小さなハウスの横の畑に決めました。よそ行きの格好をしていたので、急遽人間牧場水平線の家に置いている農作業着に着替え、地下足袋を履いての作業です。地堀鍬で雑草を根っこから削り取り、鍬で掻き均しました。
用意した蒟蒻芋の種は10個です。昨年野菜を植えた時使っていた細い竹を10本切り分け、芋を植える目印にしました。親父だと定規を使って杓子定規に植えるのでしょうが、アバウトな私は適当に間配って竹を差し込んでゆき、小さな穴を掘ってその中に植え込んでゆくのです。
種芋は既に芽吹いて芋の中央からまるでハナワさんの頭のような芽がニョッキリ出ています。ここは赤土なので育つかどうか分りませんが10個も植えたのですから、何個かは育ってくれるものと期待をしているのです。聞くところによるとコンニャクイモは大きくなるのに4~5年もかかるそうです。この種芋は2年間育てられた芋なので、今年3年目になるようです。コンニャク芋には子どもが出来て、その小芋を掘り上げて種芋にして大きな芋を育てるという、まさにこれも命のプロジェクトなのです。うまくいけばの話ですがやがて人間牧場でコンニャクイモの増産が出来るようになれば、これまた蒟蒻作りの楽しいプログラムが楽しめると、取らぬタヌキならぬ取らぬ蒟蒻の味算用をしています。一個250円も出した種芋ですから大切に育てて行きたいものです。
それにしても人間牧場の土いじりもずいぶん様になってきました。今年の春に植えたブルーベリーは早くも花をつけていましたし、昨年植えたスモモの木も少し花をつけました。多分生理落果で実をつけるのは来年くらいからだろうと思われますが、様々な植物がそこそこ育って人間牧場へ行くのが楽しみになってきました。
そして楽しみといえばもうひとつ、孫朋樹と二人で育てているカブトムシの幼虫が先日何と土から顔を出していました。真っ白な肌をしている幼虫ですが、明日は朋樹がこのカブトムシの幼虫の話を聞きつけ休みなのでやって来ます。昨日は幼虫は腐葉土の下にもぐってしまって上には出ていませんでしたが、明日がとても楽しみです。
「持ち主が いるのに蕗を 取り帰る 不平言いつつ 監視も出来ず」
「蒟蒻の 芋を十個も 植えました 何時になるやら 食すまでには」
「カブトムシ 白い幼虫 顔を出し もう直ぐ夏だと 言ってるように」
「作物を 作る喜び かみ締めて 次はあれこれ 夢は広がる」