shin-1さんの日記

○野草を食べる

 食べられる野草といえばワラビ、ゼンマイ、ツワブキ、フキ、イタドリ、ヨモギ、ノビル、オニグイなどなど、その気になって探せば春ですから沢山取ることができます。しかしこれらの野草は料理の仕方を間違うとアクが強くて食べれるものではありません。私たちが子どもの頃、こうしたアク強い食べ物がガンになる確率が高いから食べない方がいいとか聞きました。それでも大人たちは季節になると、子どもには信じられないくらい不味い食べ物なのに、こうした物を好んで食べていました。しかしあれ程不味いと思っていた物も加齢とともに欲しくなってくるから嗜好の変化とは不思議なものです。

(少しの手入れで自然に生えた見事な人間牧場のフキ畑、これから収穫が楽しみです。でも加工が大変です)

 4月1日に赤トンボ先生が人間牧場へやって来ました。先生はわが人間牧場の畑一面に生えているフキを目敏く見つけて、私の許しを得て葉っぱを取り始めたのです。普通フキは茎の部分を食べるのであって、葉っぱなどはこれまで全て捨てていました。先生の話によるとこの葉っぱこそ美味しいのであって、茎なんかより芽生え始めた今の柔らかい葉っぱを佃煮にしたら、お茶漬けのお供に最高だというのです。半信半疑でしたが今日再び友人を誘って人間牧場へやって来て、フキの葉っぱを取って帰りました。先生はその折前回とって帰った発破を佃煮にして味見をするよう持参したのです。アクが強いものの中々美味で、これなら行けると、私は先生が帰ってから少し草刈りをして、その後葉っぱを摘んで帰りました。あいにく妻は仕事で留守、早速私は苦汁菜を炊いた時の要領で加工する事にしました。まず大きな鍋にお湯を沸かし、綺麗に洗ったフキの葉っぱを入れ湯がくのです。かなり時間を掛けて湯がくと、茶色のアク汁がいっぱい出てきます。それを捨てて冷水に晒しました。何度か水を換えきれいな水になったら絞って再び鍋に戻します。ほんの少し水を加えて煮立ったら醤油、砂糖、みりんを加えて煮詰めます。煮詰まり始めたら梅干しの種を取り出して中に入れ、更にレモンを一個絞って入れます。こうすれば保存が聞くのです。やがて水分が全て飛んだところで火を止めて冷ませば出来上がりです。

 自慢ではありませんが私は家で料理をしたことなどは殆どないため味音痴です。さて仕事から帰った妻はこの味を何と言うでしょう。多分いつもの通り褒め殺しで褒めてくれるでしょうが、そんな甘い口車に乗ろうものなら、次からやらなければならない羽目になるので、滅多なことで口車に乗ってはいけないのです。

 このフキ畑は三年前に人間牧場を開設した時、ミカンの木の根元に生えていた少しの株を草刈機で刈ることもなく大事に残し育ててきました。カズラやハズの葉を取り除き、フキだけにしたお陰で、今年は青々としたフキが当り一面を覆うほど成長しているのです。妻も私もフキの茎の部分が大好物で、もう4~5日もすれば親指程度の柔らかくて立派なフキが食べられそうです。フキは昨年も保存食として随分美味しく食べました。今年はこのフキの葉っぱを加えれば、山菜として一品増えそうです。

 今日もフキの葉っぱを佃煮にした後で思ったのですが、やはりレシピを作らねば、いつまでたっても感だけではいけないような気がしました。甘ければ醤油を入れ、辛ければ砂糖を入れるような調理方法は健康を損なう元だと思いました。糖分や塩分はやはり健康には大敵です。いくら美味しいからといっても食べ過ぎには注意をしなければなりません。

 妻はまだ外出先から帰ってきません。帰宅が待ち遠しい4月4日の午後8時です。

  「食べるとこ 茎ばかりかと 思いきや 葉っぱを食べる フキも色々」

  「料理など 殆どしない 俺だけど フキにツワブキ ワカメに魚」

  「いやあいける 煮詰めつ味見 する私 最後は甘いか 辛い分らず」

  「こんなこと 三度三度と する妻は 偉いもんだと ついつい感心」  

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shin-1さんの日記

○土木業者の嘆き節

 新年度が始まると、どこか「やるぞ」という空気がみなぎるものなのですが、この頃から土木業者は「何か仕事はないか」と、細々とした仕事で食いつなぐ日々が続くようです。私の町には多い時は中小16もの土木業者がひしめいて、繁華に仕事をしていました。その殆どは公共工事で、町道、林道、農道、災害復旧、圃場整備、用地拡張などの工事を、談合と言われながらも表向きは一定のルールに則って受注していました。町内にもA・B・Cランク分けした業者がいて、お互いが連帯保証しながらこれも表向き仲良くやっていたようです。ところが小泉さんが首相をしたころから公共工事が減り始め、合併した途端に激減し特に小さい土木業者仕事が立ち入っていかなくなり、倒産や自己破産、ひどいのは自殺や夜逃げなど、様々な辛酸をなめて現在は6業者に激減しているのです。元々土木業者が多かったといえばそれまでですが、地すべり地帯の多いわが町では、何年かに一度、台風や大雨が災害をもたらし、皮肉にもその災害が公共工事を生んでいくという循環が出来上がっていたのです。そのころの土木業者は羽振りがよく、33ナンバーの高級車を乗り回し、日曜日にはゴルフに講じたり、社員旅行と称して海外まで出かけていました。また社会保険にも加入していたのでみんな安心して働いていたようです。

 土木業は機械業といわれるように、何千万円もするような重機類を持たなければならず、競争に負けるとあってみんな競って高価な重機を持ちました。またパソコンが仕事をするようになって、そのリース料やオペレーターの雇用なども次第に重荷となって経営を苦しめました。追い討ちをかけるように談合事件、行政を巻き込んだ贈収賄事件など相次ぐ不祥事が明るみに出て、公共工事への社会の風当たりが強くなって、入札制度、工事費の見直、市町村の合併が最後の止めを刺したのです。

 しかし、10人に一人が何らかの土木業に関わらざるを得ない田舎で、土木業の不振は土木業者のみに留まらず、住民の暮しへの影響がすこぶる大きく、田舎に住んで土木業で生計を立てながら日曜日には兼業で農漁業をやるといったパターンが崩れ、過疎助長、限界集落出現の大きな原因となっているようです。

 昨日、馴染みの小土木業の若い社長がわが家にやって来て、「何か仕事はないか」というのです。近所で小さなよう壁工事を行っているため、立ち寄ったらしいのですが、この工事が終われば当分休みらしく、空を見上げて空しくため息を漏らす姿に寂しさすら感じましたが、残念ながら私にはどうすることもできず、その嘆き節を聞くのみでした。

(ウッドデッキの下の切り取り斜面、ここを石積みにします)
(車の回転場付近の斜面まで15メートルの工事です)

 ふと、何とか少しでも助けて揚げれないかと思い、人間牧場の石積みを思い立ちました。「小さな工事だがお願いできないか」と頼むと、早速見に行こうということになって、社長の汚れた車に乗り込み世間話をしながら走りました。高さ×長さの理論で、アバウトな見積を現場で図に描き、15万円から20万程度というのです。誰でも安い方がいいので、じゃあ15万円でお願いしますと、あっさり口頭で契約してしまいました。リタイアの身ゆえ大蔵大臣の妻に相談すればよかったのかも知れませんが、まあ何とかなるだろうと思ったのです。

 人間牧場のウッドデッキのすぐ下は切り取り工事だけで終わっていて、少し心配していた場所なので、この工事が終われば万全と思っています。工事は僅か15メートルほどなので3~4日で終わる予定だそうです。

 屁のツッパリにもならない土木工事ですが、少しだけでも痛みを分かち合ったつもりの一日でした。

  「春なのに 沈む心の 土木業 昔の夢など 既に遠くへ」

  「お世辞にも 社長の車? 言えません お家の事情 厳し経営」

  「工事して 直ぐに見積り 高いのか 訳も分らず 即決頼む」

  「大蔵の 許可も受けずに 発注す これが最後と 何度いったか」  

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