○今日は朝から雨
天気予報はよく当るもので、昨日はあれ程いい天気で雨の心配など微塵もないと思っていたのに、今日は朝から雨です。少年少女おもしろ教室の打ち合わせが予定されていたので、少し早く雨の中を出かけました。というのも昨日から泊まりに来ている孫朋樹が、昨夕桜を見学に行った帰り、千人塚の池で何組かの家族連れが、鯉やアヒルに餌をやっていたのを目敏く見つけ、昨夜寝る前に「明日は起きたら僕も餌をやりに行く」と約束をさせられていたのです。妻にパンを一斤貰い、それを細かくちぎってナイロン袋に入れて、トラックで出発しました。その頃から雨足が急に強くなって、風を伴いまるで春の嵐のようでした。桜はまだ満開ではないのですが、それでも時折吹くやまぜ風が桜の枝を震わせ、桜の花びらが風に舞っていました。「おじいちゃん綺麗だね」というものの、せっかく咲いた花が散るのは、心が痛むものなのです。
千人塚の池は雨のため人にも車にも会わず、傘を二本用意しましたが、風に吹き飛ばされては大変と、外に出る事を諦め、多少助手席に雨が振り込むものの、柵の近くまで車を寄せて窓ガラスをいっぱい広げて餌を投げる事にしました。最初にやって来たのはアヒルとカモです。似たような鳥ですがアヒルは飛ぶことが出来ずカモは飛べるのです。何年か前まではカモもアヒルも沢山いましたが、今日は雨のためか2匹だけしか姿が見えませんでした。今日は雨のため餌を貰う予定がなかったため、とても嬉しそうに水面に浮いたパンを啄ばんでいました。
やがて選手交代です。水中には無数の鯉が集まってきて、餌をねだり始めました。多分パン一斤程度を鳥と魚が分け合って食べるのですから、食べれない魚も沢山いると思われるほど、先を争うように餌を奪い合いました。
今朝は雨水で池の水が濁って、残念ながら鯉の姿を綺麗に捉えることは出来ませんでした。今月末になると周辺の田んぼの田植えの準備が始まるため、池の水は今が満水状態で一番美しいのです。暖かい日には亀が何匹も首を突き出して表インに泳ぐ姿は、これまた子ども達の人気者なのです。動物に触れ合う機会の少なくなったこの頃ですが、田舎にはまだまだ沢山自然と触れ合う場が残っているようです。
餌をやるのにかなり雨が車の助手席に入るので、持っていた傘を窓に突き出して差しかけました。これで安心とばかりに孫は頭と顔を思い切り外に出し、餌を投げていました。その瞬間突風にあおられて傘が反対に向き、孫に被らせていた帽子が飛んでしまいました。あっという間の出来事にそれまではしゃいでいた孫の血の気が引いたようでした。多分空中高く飛んでいった帽子は池の中に落ちたのだろうと諦めていました。ところが不思議や不思議天高く舞ったはずの帽子が車の下まで吹き戻されてきたのです。私は孫が指差す帽子を取りに社外へ出ました。そして帽子を拾い急いで車の中へ戻りました。孫も嬉しくて思わず拍手です。一瞬の出来事でしたが、面白い思い出を孫と共有できました。「天に向ってブツブツ言うな、雨の日には雨の日の仕事がある」と常々いっていますが、雨だから体験したハプニングでした。
「池の上 風に飛ばされ 諦めた 帽子再び 手元に戻り」
「桜散る 春の嵐を 綺麗だと 孫は褒めるが 私気がかり」
「降る雨に 体濡らして 餌をやる アヒルとカモも 体濡らして」
「雨ゆえに 人気感じぬ 池の側 桜吹雪が 顔に当りて」