○やっと桜が咲きました
海沿いの町双海町は海水の温度の影響で霜が殆ど降りず、風は強いものの暖かい地域ですから、桜も早く咲くだろうと思って、桜前線の行方を毎年首を長くして待つのですが、伝え聞く松山地方気象台の桜開花情報より更に4日間ぐらい開花が遅れるようです。詳しいことは分りませんが、推し量るに冬の乾いた季節風が桜の蕾の表皮を硬くさせ、開花を遅めているのではないかと思われるのです。
昨日の夕方、孫朋樹を単車に乗せて、近くの桜を見学に行きました。夕方五時を回っていたため、カメラアングルとしては光と影の濃淡が強過ぎて今一でしたが、穏やかな春の夕映えに写し出される桜はその色をより引き立たせ、趣のある桜を鑑賞することが出来ました。今朝は夜来の雨と風があって、せっかく満開近くなったのにと、桜の花をいとわなければなりません。それにしても春は一夜の風で桜が散る事を思うと、よくぞ昨日は桜を目とカメラに納めていたと、強運に胸を撫で下ろすのです。
私たちはまず桜の名所潮風ふれあい公園へ出かけました。もう夕方だというのに弁当を広げて花見の酒盛りをしている知人もいて、輪に入って飲まないか誘われましたが、孫を連れての単車なのでおいとまをして桜を見ながら展望台まで登ってみました。中年の外人さん夫婦が登ってきました。「ハロー」というので、孫はてっきり英語を喋らなければならないと思い、「ABCDEFG・・・・・XYZ」と習いたてのアルファベットの歌を歌いました。すると外人の奥さんは「まあお上手、ベリーワンダフル」と頭を撫でてくれました。思わぬ国際交流です。
展望台の桜はまだ八分咲きといった所でしたが、メジロが沢山いて桜の花を啄ばんでいました。堀内さんのアトリエあたりの遠景はもう桜の色で鮮やかに染まっていました。
眼下には宮城道雄の「春の海」を髣髴するような穏やかな伊予灘が開け、沢山の島々が春霞に霞んでまるで一幅の絵を見ているような光景です。展望台からはシーサイド公園が一望できました。
ふれあいの館の裏側に綺麗な桜が咲いていました。ここらの桜は公園整備の折私が植えた桜なので思い入れも一入です。
その後とっておきの桜見学ポイントへ向いました。まだここも八分咲きでしたが、千人塚の池に映えてそれは見事な風景でした。私的には好きな場所でここはもう2~3日もするともっともっと美しくなるのです。
山道を下りお寺の山門に出ました。山門には枝垂桜が咲いていて、吉野桜とはまた違った趣でした。
県道双海~内子線を走ってみました。この沿線も私が若い頃訳も分らず植えまくって随分叱られた桜ですが、今では随分大きくなって、植えた者が勝ちって感じです。
帰りに三島神社裏の桜を見ながらカメラに収めました。道後公園や武丈公園など桜の名所もいいですが人が多過ぎて、わたしはどちらかというと、ボンボリもつけずひっそりと人知れず咲き、見る人も殆どない人里離れた桜を鑑賞するのもこれまたおつな物なのです。
春はあっという間に駆け抜けて行きます。出来ることならこの2~3日カメラを片手に町内の桜を写真に収めたいと思っていますが、日程が詰まっていて無理かも知れません。
「春愛でる 心のゆとり 今もなく ただ忙しく 通り過ぎ行く」
「この桜 俺しか愛でる 人もなく ひっそり咲いて ひっそり散るか」
「うっとりと 眺めていたい 桜花 今が盛りと 言ってるようだ」
「夕映えの 桜も結構 おつなもの 思わぬ色に 気付き見返える」