○青年団のリーダー塾
青年団出身の私としては青年団で様々な事を学び、私の生きる土台となっているだけに、いつか青年団に恩返しがしたいと、いつも思っていました。そのため青年団から声がかかると何を放っておいても真っ先に駆けつけたり、青年の見本になるような生き方を心がけてきました。
私は青年団で①仲間、②ふるさと、③主張、④感動という四つの道具を手に入れました。今までも今も、そしてこれからもその道具によって生かされ生きてゆくことは間違いのない事実です。しかしこの四つの道具は鎌やマサカリと同じように使わなければ錆びたり切れ味が悪くなったりするのです。絶えず場と機会という砥石によって研ぎ澄ますよう努力しなければ、いざという時何の役にも立たないのです。
今年の1月、愛媛県青年団連合会の青年研究大会が開催され、記念講演を頼まれました。私たちの時代に千年研究集会といえば年に一度の一大イベントで、松山市民会場の大ホールを満席にするほどの青年が県下各地からバスに乗って集まってきたものです。時の流れとでもいうのでしょうか、県立中央青年の家に集まった青年の数は70名程度で少し寂しく感じたものの、私の話に熱心に聞き入る青年たちに、先輩として様々なメッセージを送ったのです。
その一つがリーダー研修会でした。心を揺り動かすような研修会に参加しなければ遊び半分でいいリーダーは育たないと活を入れたのです。うれしいものでそれに反応した副会長から、早速新年度早々に人間牧場で一泊二日のリーダー塾をやりたいとメールが届きました。「しめた」と思い、副会長にどんな研修を望むのかプログラムを立案させました。しかし数日後に届いたメールは極平凡なものだったのです。食事の準備、焼肉などお遊び感覚な言葉が並ぶ研修を打ち消すような提案をメールで返信し、これが駄目なら今回はなかった事にしようと思いました。
やがて届いたメールでは私の提案を受け入れたようでした。新年度早々でリーダーたちの日程調整がつかなかったのか、はたまた私の作ったプログラムが窮屈だったのか知る良しもありませんが、一抜けニ抜けと参加者が減り続け、ついには直前になって二人にまでなりました。普通であれば三人以下の社会教育プログラムは不可能ですが、私はこの二人のために24時間を割くことを決意し、今回のリーダー塾開講の運びとなったのです。
私の作ったプログラムは、事前2週間前に私の自著本「昇る夕日でまちづくり」「今やれる青春」「夕日徒然草」の3冊を送り、完読し読んだ本の中からそれぞれ10の質問を抽出すること。当日は12時に集合して人間牧場12時30分着、13時から3時間毎に4つのテーマについて話し合うのです。13時から16時まで青年とまちづくり、16時から19時まで青年活動、19時から21時まで夜なべ談義、明くる日朝8時から11時まで青年の生活設計、その後反省評価を12時までして解散というまさにハードスケジュールな時計一回りのリーダー塾なのです。
昨日は予定通り二人の青年がやって来て、対話ともいえるメニューに果敢に挑戦しました。私にとっても少々きつい日程でしたが、まずは思い通りに第一日目を終えました。一日で9時間の喋りはまさに鉄人級で、今朝から最後のプログラムに挑戦です。宿泊した二人のために妻は今せっせと朝食を作ってくれています。おにぎりと味噌汁の簡単なものですが、もう直ぐ7時になるので、これから再び人間牧場へ出発します。
「二人だけ 相手に9時間 講義する こちら真剣 相手も真剣」
「リーダーは 育てるものか 育つもの どちらでもいい 要は育てば」
「本気から 元気生まれる 青年と がっぷり四つ 組んで議論を」
「さあ今日も ふんどし締めて かからねば 俺の青春 見せてやらねば」