○断水騒ぎ
「若松さん所水が出てますか」。電話口に出た隣の奥さんがこんな言葉を言うのです。私は大相撲をテレビで見ている最中で、朝青龍と白鵬の相撲が間もなく始まる6時前だったので、正直早く電話を切ろうと思いましたが、いかんせんそれから次から次と電話が架かり始めたのです。中身は要約すると「水が出ない」という苦情が殆どでした。水が出ないからといって私に言われても困るのですが、電話の対応をしながら私に電話をかけるのにはそれ相当の訳があると思ったのです。まず私は最近までこの集落の自治会長である区長をしていました。2年間で辞めたものの未だに私が区長をしている若しくは水道のトラブルの解決方法を知っていると思っている人が多いのです。ついで私が35年間も役場に勤めていて三連休で市役所へ連絡しても対応が出来ず、そんな場合の対応を知っていると思っているのです。仕方がないので相撲観戦を諦めて対応をし始めました。役所は三連休の真っ只中で、宿直は民間人が委託を受けてやっていてらちが明きません。私はとっさにかつて役場で一緒に仕事をしていた人に電話をしました。その方はあいにく留守で奥さんが役所に勤めるご主人に携帯電話をしてくれました。ご主人は直接私に電話せず奥さんから間接的に、「水道の管理は合併後市役所に一元化されて双海町の支所では扱っていないので、私がいうより区長のあなたが抗議すれば早く対応するかもしれない」との事でした。
私が区長をしていると思っての発言でしょうが、何たる不手際な態度でしょう。私は奥さんに「私は区長を辞めています。私が市役所水道課へ電話するのもいいですが、あなたのご主人がするのが順番ではないですか」と少々声を荒げて電話を切りました。今日は三連休の中日です。「直接水道に関係のないのに市役所職員だからといって電話してくるのは迷惑だ」と言わんばかりの対応は少し間違っているようにも思われました。でも市役所支所へ言ってもらちがあないからの相談なのです。
問題を整理すると、私が市役所の水道行政を深く飲み込んでなく、知人に電話したことにも問題があります。市役所イコール役場と勘違いせず直ぐに伊予市の市役所水道課へ電話すればよかったと後で後悔しましたが、私の危機管理能力がまず駄目でした。次に役所の対応はたとえ民間委託でも取り次ぎ方法はマニュアル通りできるはずですから、日頃から訓練しておかないと危機管理は出来ません。さらに私が電話した職員も自分の仕事でなくっても、あるいは休みの日でも相談を受けたら対応するくらいの気概が必要でしょう。対応に出た奥さんが一番被害者だったかもしれませんが、職員の奥さんも危機管理能力が必要かも知れません。ましてや台風が少し前に去ったといっても緊急時なのですから・・・・・。
その後対応が始まり、有線放送で水の出ない原因が台風の大雨による水源パイプつまりだと周知され、風呂に入ることも出来ず、トイレを使用することも制限されて一夜を過ごしました。朝6時前再び有線放送で修理完了の周知がされました。担当者は寝ずの復旧作業をしたのでしょうが、ご苦労様といいたいけれど後味の悪い復旧となりました。もっと後味が悪かったのはわが家の洗面所の水道栓を水が出ないため誰かが開けていて、復旧後の早朝水が出っぱなしになっていたのです。水を無駄使いしてしまいましたし、今月の水道料が高くなりそうです。
「水が出る 蛇口ひねれば 当たり前 便利な世の中 忘れてました」
「台風が 残す小さな 爪痕に 学ばなければ 今に大事」
「役所辞め 区長を辞めたる 俺なのに 周りの人は 事ある毎に」
「防災と いくら言っても 市役所の 職員これじゃあ らちが明かぬは」