○自動販売機王国日本
今や日本中何処へ行っても自動販売機だらけで、外国人が日本のことを「自動販売機王国」と呼ぶのもうなずける話です。私たちが子どもの頃は自動販売機などなかったのですが、いつの間にか自動販売機が増えて、ジュースや缶ビールなどの飲み物のほかにタバコやファーストフーズまで自動販売機で買えるのです。中を覗く機会はありませんが、業者さんが商品を入れている様子で中をうかがうと以外と簡単な仕組みのようです。でもあの自動販売機から冷たい物や温かいものが、お金さえ入れれば混在して出てくるのですから凄いことです。最近の自動販売機は盗難防止装置がついているそうです。
一昔前といってもそんなに昔のことではありません。自動販売機が出始めの頃の商品は砂糖で味付けしたジュース類が主流を占めていました。ところが最近は水やお茶といった飲料水がよく売れるのだそうです。日本は何処へ行っても安心して水道水が飲める国だといわれているため、最初「六甲の水」なんて商品を売り出した時、こんなものは売れないだろうと思っていましたが、何と何とこの水類は深層水に至るまで凄い販売量のようです。
もともとミネラルウォーターの商品化は健康志向のヨーロッパで流行ったものです。火付け役はレマン湖畔の泉から取水した「エビアン」でした。硬度291.0と欧州に湧く天然水の中では硬度が低く、フランスでは「赤ちゃんのミルクを作る水」とも言われていました。「エビアン」が日本人の口に合う味だったというので、日本国内で湧いているミネラルウォーターもボトリングして市販されるようになりました。商品名も様々で何とかの自然水とか、どこそこの天然水とか、知名度の高い自然をイメージするようなネーミングで競い合い、水商売を繰り広げているようです。それらの水は輸入・国産を問わずカルシュームやマグネシューム、ナトリウム、カリウムなどを含んでいるので飲むだけでミネラルを摂取できるといわれていますが、どうだか怪しいものです。
しかしヨーロッパの基準は厳しく、含まれるミネラルの量が定められているし、無殺菌が条件とか。そのため「エビアン」では源泉の周囲10キロメートル四方は自然保護区になっていて建造物は一切禁止されているのです。アルプスの雪解け水が浸透し、大地によってろ過される湧水のメカニズムを考えれば当然の事といえますが、日本ではそんは規制はないようです。日本のミネラルウォーターは加熱殺菌されないと販売出来ません。したがっていくら自然水や天然水というレッテルを貼っても所詮は加工水なのです。
最近はお茶がブームのようで様々な飲料お茶が販売されています。そのためか最近の会議はペットボトルのお茶が配られます。資源リサイクルから考えると考え物です。自販機にお金を入れる前にちょっと立ち止まってこんなことも考えないと、コマーシャルではありませんが「明日があるさ」ではなく、明日はないのです。
「水が売れ お茶が売れる 世の中は どこか間違い 思いませんか」
「天然水 表示してるが 加工水 中身はただの 水だというに」
「レマン湖の 水にあやかり 水商売 今では数億 稼いでいます」
「お茶や水 家で飲めば ただですよ コイン集めりゃ 凄いお金に」