○黒い鉛筆と丸い鉛筆
私の机にはお洒落な焼き物の鉛筆立てがあり、そこには日ごろ使い慣れた鉛筆やボールペンが無造作に入れられています。直ぐに対応できるようにとハサミと天眼鏡もありますが、今朝インターネットで送られてきた原稿ゲラの校正をしようと思って赤鉛筆を手に取りました。その後シャープペンシルで書き直そうと思ってノックしたらあいにくの芯切れ、削った鉛筆を手に取りました。今その作業が終わって赤と黒の鉛筆が机の上の校正済みゲラの上に無造作に置かれています。ふたお「何で赤鉛筆は丸い形で黒鉛筆は六角形なんじゃろうか」と考えました。
昔聞いた話なので定かではありませんが黒い鉛筆の形が六角形なのは、力学的にいちばん握りやすい形であるからだというのです。なるほどと手を開け六角形の鉛筆を親指、人差し指、中指の三本で持ってみると六角形の鉛筆がしっくり手に馴染むのが分るのです。じゃあ赤鉛筆も六角形にすればいいのにと思うのは私だけではないと思うのは当然のことでしょう。
色鉛筆の丸い理由はどうやら鉛筆の芯のせいなのです。黒い鉛筆と断面を比較してみると色鉛筆の芯は黒鉛筆の芯に比べて太い。柔らかくて折れやすいから太くしているので、周囲を同じ厚さの木で支える事によって芯にかかる力を均等にして折れにくくしているのです。また私たちが黒い鉛筆を使う時は、ずっと同じ持ち方で文字や数字を書きますが、色鉛筆は絵やデザインを書く時に使うので、倒して色を塗ったり軽く握ったりと様々な持ち方で一定ではありません。現在は芯を作る技術が進んで色鉛筆の芯も折れにくくなっているのでしょうか、先日デパートへ行きましたが六角形の色鉛筆も売っているようです。でも何故か私たち消費者は長年の「色鉛筆は丸型」のイメージが強いのか、圧倒的に丸い色鉛筆が売れているようです。
孫のわが家へ置いている色鉛筆のケースを見ましたが、この色鉛筆は全て買った時から削られていました。黒い鉛筆は削っていないのに何故だろうとまた疑問が生じました。聞いてみると、色鉛筆はたくさんの色を一遍に使うので削るのは面倒だろうとメーカーさんがあらかじめサービスで削っているとのことでした。黒い鉛筆も削っておけばいいのにと思ったりもしましたが、まあ削っても一本だから削るのもやぶさかではありません。
それにしても孫の色鉛筆ケースの色鉛筆を見てみると、やはり特別な色だけが短くなっています。赤橙黄緑青藍紫です。人間は七色の色調が好きだとか、そういえば色の三原色や七色などとよく言われ、暮らしの中にもそういった色調が溢れています。最近はファジーなどという訳の分らぬあいまいな色も好まれるようです。
「鉛筆は何故に六角 丸いのか 疑問調べる それには訳が」
「近頃は 暮らしに鉛筆 ありませぬ ボールペンシル 以外使わぬ」
「文字さえも 書かず一日 日が暮れる 忘れるはずだよ 俺の頭は」
「日記帳 ブログに変わり 早いもの 八ヶ月過ぎ 今では欠かせぬ」