人間牧場

〇田舎の常識は都会の非常識

 田舎には都会の人に理解し難いことがいっぱいあります。方言もその一つで、私たちは日常語として使っているのに、時々標準語の世界と思われる東京からやって来た人から、「それ何?」と首をかしげて質問されることだってあるのです。悪ふざけすることを伊予弁で「よもだ」と言いますが、これも東京では通じない方言です。でも私はあえて「方言を話せれば一人前」とばかりに、極力方言を使うように心がけているのです。
 昨日翠小学校の近くでピザ釜を開いている友人の岡田博助さんから、「珍しいものがあるので見に来ないか」というお誘いの電話があり、あいにく所用があって外出前でしたが、軽四トラックを走らせて出かけて行きました。昨日は北東の風がかなり強く吹いて、この秋一番の肌寒い一日でしたが天気もよく、どこか松山の小学校が研究会で臨時休校らしく、何組かの家族連れがピザ焼き体験に来ていました。

幼虫がぎっしり詰まったスズメバチの巣

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピザ釜には火が焚かれピザ焼きの準備で、岡田博助さんは忙しそうでしたが、火に当たりながら色々な世間話をした後、外の軽四トラックまで誘われました。荷台にはビニール袋に何やら怪しげなものが入っていてうごめいています。中から取り出したのはスズメバチの巣でした。牛の峰山の麓で採集したというその巣には、スズメバチの幼虫がぎっしり詰まって、白に近いクリーム色の幼虫はお尻を震わせ動いていましたが、何匹かは外に出て天日にさらされていました。
 岡田博助さんの話によると毎年この時期になると、スズメバチの巣を取ってくれと依頼があるのだそうです。どう猛なスズメバチは刺されたら命だって危ないのに、岡田博助さんたちはもうすっかり馴れていて、平気で巣を取るのです。何回かテレビでその模様を見たことがありますが、それはすさまじいもののようです。珍しいので松山からピザ焼き体験に来ている親子連れに、声をかけて見せてあげました。最初は遠巻きにして見ていた子どもたちも少しずつ近づいて、幼虫を手の平に乗せてやると、歓声を上げて驚いていたようです。

岡田博助さんに手にとって説明を受ける子どもたち

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実はこのスズメバチの幼虫はフライパンで油いためし、塩か醤油で味付けするととても美味しいのだそうです。「こんな物食べられない」と子どもたちは異口同音に言っていました。幼虫の味を知っている人は佃煮にして味わっているようですが、私もこれまでに何度か勧められたことがあるものの、海沿い育ちに私にはグロテスクな幼虫を知っているだけに、ゲテモノだと思い込んでまだ一度も食べたことがないのです。
 田舎では、特に魚等殆んど食べられなかった山里ではその昔、貴重な蛋白源として炊き込みご飯の具材として、この幼虫を使ったそうですが、今でも岡田博助さんたちは時々食べるそうです。これはまさに都会の人には理解できない珍事なのです。

 

大スズメバチと幼虫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私はアウトドア派で、人間牧場や自宅でミツバチを飼っていますし、毎年何度かミツバチに刺されます。またこれまで無人島キャンプや草刈り作業中に、誤ってスズメバチに刺されたこともあります。ミツバチなど否でないくらいスズメバチは猛毒を持っていて、時には命を落とす人だっているのです。その猛毒を内臓している幼虫は、考えただけでも身震いしそうですが、猛毒を持っているがゆえに精力剤だとも聞きました。精力減退の年齢になって少し増強したい私でも、幼虫だけは気持ちが悪くこれからも、口にすることは多分ないでしょう。失礼ながら岡田博助さんは田舎者、私は都会人(その顔で?、大笑い)かも知れないと思いました。昨日知人から苦汁菜の佃煮をいただきました。苦汁菜を知っている私は、あの苦い苦汁菜が何で食べれるのだろうと思いますが、これも田舎でしか通用しない食べ物かも知れません。

  「スズメバチ この幼虫を 喰うという 田舎常識 理解が出来ぬ」

  「俺だって アウトドアー派 自認する 幼虫喰えぬ 修行が足りぬ」

  「幼虫の うごめく姿 見ていると 食欲減退 友は増進」

  「田舎では 苦汁菜さえも 茶漬け友 都会じゃとても 食えぬ代物」

 

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