shin-1さんの日記

投稿者: | 2007年7月28日

○ここだけの話しだけど

 「ねえねえ、ここだけの話しだけど、人には絶対に言わないようにしてね」という言葉を耳にしながら相手から、内緒話を聞くことが時々あります。喋った本人も話を聞いた方も内緒話なので「絶対言ったら駄目」、「絶対言わない」と密約を交わすのですが、これが中々の曲者で言う方も「ここだけの話」には終わらず、言われる方は「言わないように」と言われたら言いたいのが人間の心情のようで、またたくまにそこら辺に広がって、震源地を調べてみると最初の二人だったりして唖然とすることがあるのです。

 先日もある人から「ここどけの話しだけど、あの人どうもガンらしい」という話を耳にしました。その話は近所では周知の事実で私も知っていた情報でした。健康診断でガンが見つかり病院に入院して胃の殆ど全てを除去しましたそうです。「ここだけの話」として聞いたその後、一時退院したものの思わしくなく再度入院したのですが別の場所に転移しているようなのです。普通こんな場合田舎の隣近所組内などは長年のコミュニティ付き合いから、相談して一緒に病院へ見舞いに行くのが慣わしで、うちそろって出かけました。あれ程太っていた体は痩せ細り、頭髪もコバルト治療の後遺症でしょうが全て抜け落ち毛糸の帽子が印象的でした。付き添っている奥さんの悲しみはいかばかりかと察しましたが、私たちはどうすることも出来ず「早く元気になってまた酒でも飲もうや」と話しかけました。ホスピスという言葉は知っていますが、この方も既にガンであることは本人に告知されていて、「もう帰れないかも知れない」と弱気な発言が目立ちました。お見舞いを渡し病院を後にしましたが、「ここどけの話」をした同行の人は、それ以来「ここだけの話」を盛んに吹聴しているようで、私は「余り人には言わない方がいいのでは」と釘を刺したほどです。

 実は8年前この人の「ここだけの話」によって私もガンにさせられてしまった苦い経験があるのです。「ねえねえ、ここだけの話しだけど若松の進ちゃんはどうもガンじゃとなあ」という話がまたたく間に町内に広がったのです。無理もありません。胆嚢の手術で入院し退院してから68キロあった体重が急激に55キロまで減って、痩せこけた風貌はガンと言われても不思議はないような体になっていました。私の耳には入らないのに何故か親類の人や友人が度々やって来て、それとはなしに病状やガンの進行状況を聞いたりするのです。「知らぬは本人ばかりなり」でした。

 一年後お喋りな人が私に「あんたガンじゃとなあ」と明けら様にいうのです。「誰がそんな事を言いよるの」と聞くと、「私はあの人から聞いたけど町民はみんな知っている」というのです。あの人とは、今回の言いふらし張本人のようでした。

 人の不幸は悲しいはずなのに、「言うたらいかん」という言葉から始まると尾ひれがついて面白おかしい噂話に変身します。「言うたらいかんと言われたのだが絶対言わないように」と広がる話は半分ぐらいにしておかないと、私のようにとんでもない方向に向かう危険性があります。くれぐれもご用心を・・・・・・・。

  「ここだけの 話と釘を さすけれど ここだけどんどん 広がる噂」

  「俺だって ガンだと噂 立てられて 余命いくばく ないと告げられ」

  「人の口 戸は立てられぬ 気をつけて あっという間に まるでマスコミ」

  「いるんだよ 人の不幸を 楽しんで 噂を流す 震源地人」

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