shin-1さんの日記

○カマキリとカエルの戦い

夏休みになったので孫がわが家にやって来ました。3日前に足が痛いといって病院に連れて行った時はどうなるかと思いました。明日病院へ連れて行って要観察の結果がよければよいのですが、当の本人はいたって元気でピョンピョン飛び跳ねています。

 来るなり虫かごと虫取り網を持って「おじいちゃん、虫取りに行こう」と誘うのです。午後2時頃の最も暑い頃だったので躊躇しましたが、孫は暑さもなんのその、麦藁帽子を被って庭のそこら辺を走り回って塀にしがみついているアマガエルを目敏く2匹見つけました。そして虫かごの中に入れてわが者顔で家の中へ持って入りました。

 その内私の書斎の大きな網戸にアオカマキリが飛んできて留まっているのが見つかり、私は孫にいわれてそっと手で捕まえカエルと同じ虫かごに入れたのです。するとどうでしょう。さっきまで静に虫かごに入っていたカエルが急にバタバタと動き始めたではありませんか。孫も虫かごの外から異様な雰囲気を察してか、「おじいちゃん、カエルとカマキリの戦いが始まる」と少し興奮気味に話すのです。

 カマキリは背中から尻尾に至る胴体を反らせて臨戦態勢にも見えましたし、右に左に動くカエルはカマキリの獲物のようにも見えました。

 やがてカマキリが逃げ惑うカエルを一匹、前足の鎌で捕まえたのです。それからは無残にもカエルは鎌で切り刻まれ血だらけになりました。「おじいちゃん、カエルが可哀想」と悲痛な声を上げた孫は顔を背けて別の部屋にいるお母さんのところへ泣きべそで助けを求めに行きました。私が気がついたときには時既に遅しで、カエルの体をカマキリは食べていました。私は無残にも食べられたカエルをカマキリの手から離すと同時に脅えているもう一匹のカエルを外に出して逃がしてやりました。カエルはそそくさと草むらに姿を消しましたが、カマキリは餌を食べた口と鎌に多少の血のりを付けて悠然としていました。

 孫に、「このカマキリも逃がしてやろうか」といったら孫は「いかん」といって言う事を聞きませんでした。私は孫に分るような優しい言葉でカマキリとカエルの模様を話してやりました。食べられたカエルが可哀想だったこと、カマキリはカエルのような小さい動物を食べて暮らしていることなどをしっかりフォローしてやりました。4歳の孫には理解し難い出来事でしょうし、食べられたカエルと食べたカマキリの勝者と負け者の関係は分らないようでした。これから孫は大きくなるにしたがってこうした出来事が目の前に現実のこととして見え隠れすることでしょうが、弱者の気持ちを大切にしながら確かな成長をして欲しいものです。

  「カマキリが カエルを食べる 姿見て 孫目をそむけ 悲し顔する」

  「初めての リアル体験 私さえ 驚き虫かご カエル外出す」

  「弱肉の カエル強食 カマキリに 食べられ家中 何時なく興奮」

  「さっきまで 賑やかだった 虫かごも カマキリ一匹 寂しく残り」 

[ この記事をシェアする ]