shin-1さんの日記

投稿者: | 2006年4月28日

○出発進行

 何気なく列車に乗って何気なく長閑な田園地帯や急な山谷を走る。毎日繰り返される列車の安全な運行も、福知山線のような惨事が起こると国を挙げて鉄道会社へのブーイングが湧き起こります。惨事は忘れた頃にやってくるといいますが、先日は福知山線事故の丁度一年目に今度は山手線でレールがゆがんで列車が止まりました。幸い大惨事には至りませんでしたが、利用者に大きな影響が出ました。狭いといいながら北は北海道から南は九州まで、これだけ列車が朝から晩まで走っていると、事故がないのが不思議なくらい日本の列車は安全なのです。その安全を確保するために日夜を問わず鉄路を守っている人のことを思うと感謝しないわけにはゆきません。

 数日前久しぶりにわが町を通る予讃線海岸周りの列車に乗りました。最近は赤字路線で本数も少なく乗客もまばらで、私はこの線に乗ると決まったように海岸が見える海側の席に座るのですが、箱型打席でなく列車に沿って配置された長椅子列車の場合は列車の内側に向かって座らなければならないので、身をよじるようにして車窓の景色を眺めるのです。つつじの季節になりましたが、もうそろそろ高野川駅のつつじも見ごろかなと思ったり、長い上灘川に架かる鉄橋の上を走る時はわが家が一望できるので身を乗り出すようにして車窓に目をやるのです。この風景もわが家から見ると、まるでマッチ箱のような一両だけの列車がまるでおもちゃのように走っているのです。

 ところで、上灘駅を出る時運転手さんが、指差確認し「出発進行」と大きな声で言うので運転席を見ると、前方の信号が青なのに中々発車しません。一分近くたってやっと汽笛を鳴らして出発しました。「出発進行」とは実は「発車」の意味ではないのです。「出発進行」とは乗務員に定められた「指差喚呼」と呼ばれるもので、信号や標識の確認を確実におこなうため、信号や標識を指差しながら声に出してはっきり意識することを促しているのです。日ごろ当たり前のように行われている業務もふとした気の緩みで大惨事につながりかねないための自己戒めなのです。

 その指差喚呼のときに発する言葉を喚呼用語といい、「出発進行」もその一つで出発信号機が今進行をを示していると言っているのです。ですから「出発進行」と言っても列車が出発するとは限らず、列車は時計によって出発時間通りに発車するのです。ちなみに発車の時の掛け声は「出発」だそうです。

 孫が私の車に乗るとシートベルトを締めると必ず「出発進行。発車オーライ」という掛け声をかけます。知ってか知らずでか、一度大きくなったらこのことを話してやりたいものです。

  「見習いの 運転手さん 大声で 出発進行 指差しながら」

  「天災も 人災までも 忘れごろ 必ず来るから 肝に銘じて」

  「海見える 夕日が見える 席座る これが私の グリーン席です」

  「汽車を見て 暮らしていてて 汽車に乗り 汽車から見ると 違った趣き」

[ この記事をシェアする ]