shin-1さんの日記

○日本一高い山と日本一低い山

 人間牧場へ来た人が、急峻な地形の上に立つ水平線の家で「ここは標高何メートル」とよく聞くのです。地図上で一度調べたいと思っているのですが、最近まで下のみかん山に標高100メートルという表示があったのを記憶しているので、100メートル以上であることは間違いないと思っています。急峻は平地が少ないなど欠点も多いのですが、悪いことばかりではなく眺望がすこぶる良いので訪れた人は感嘆の声をあげています。

 昨日来た人との談笑で日本一高い山富士山は3776メートル、では日本一低い山はと聞かれたので「大阪市港区にある天保山で、確か4.5メートル」と知ったかぶりに答えました。ところが物知りの彼が「それは違うというのです」彼の話によると大阪の天保山は確かに低いそうです。天保山は天保2年、安治川浚渫の土砂を積んで作られた人工の山です。江戸時代には葛飾北斎が絵の題材にしたこともあるという由緒ある入船出船の目印でした。作った当初は20メートルほどの山だったそうですが、その後地盤沈下が進んで地図上から抹消された時期がありました。地元住民からの指摘で平成8年、大阪西南部25,000分の1の地図に復活したそうで、それまで日本一低い山といわれていた仙台市日和山を抜いて日本一低い山になったそうです。

 物知り彼の話を続けましょう。ところがこの日本一低いという論争は国土地理院に公認されている山の話で、日本一低い山は実は他にもあるのです。秋田県大潟村に3.776メートルの大潟富士というのがあるそうです。大潟村は干拓によって出来た村全体が海面より低い村です。干拓の際富士山の100分の1の山を作ったそうですが、偶然にもその山が海抜ゼロメートルになったというのです。国土地理院に申請すればギネスものかも知れないと彼は教えてくれました。海抜ゼロメートルの山があるなんてと思わず吹き出しましたが、調べてみれば意外な事実があるものです。

 標高と海抜は一緒ですが、広辞苑によると平均海面からの高さだそうで、日本では東京湾がその基準になっていますから、わが人間牧場より見下ろす海面は直ぐ側まで迫っているような「高さ」の意識はやはり錯覚の世界なのでしょう。ジャガイモの芽吹きがわが家の庭のものより遅いのもこの標高差のせいなのです。

  「日本一 高い山なら 知っている 低い山など 何処にあるのか」

  「おらが山 海抜百の 高さなり 高みの見物 横をヘリ飛ぶ」

  「石投げて 届きそうだと 人は言う 直ぐ下海が 迫り開けて」

  「遅咲きの 俺に似たのか この桜 今が盛りと 人知れず咲く」

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