shin-1さんの日記

投稿者: | 2006年4月4日

○海面に浮かんでいるのは一体何?

 春が来たこの頃になると決まったように双海町の海面には何やら黒ずんだ姿が見受けられます。これを見て「双海町の海は汚い」と言った人がいますがこれは素人の浅はかな考えです。この黒ずんだ海面の下にはホンダワラという海草がぎっしりと生えているのです。山に木や草が生えているように海の底も海草で覆われているのが普通なのですが、最近は海岸線の乱開発によって海岸線が人々の暮らしから段々遠のく傾向にあります。下灘という漁村で生まれ育った私が子どもの頃は家の直ぐ前が海で手の届くところにありました。台風や大しけの時はこわかったのですが、夏になると浜辺は格好の遊び場でした。その後埋め立てて道が出来、漁港が出来て人々の暮らしは快適になりましたが、海はだんだん離れてゆきました。と同時に冬になると砂浜に打ちあがっていた波はコンクリートの波返しに跳ね返されて、海岸近くに生えていた海草は三角波の力でことごとく切れ、磯焼けという現象、つまり海底が禿山のようになってしまったのです。磯焼けになると海草の中を住処にしていた魚が住めなくなり、魚が卵を産んだり孵したりすることが出来なくばかりか、海草が汚い水を綺麗にする浄化作用までもできなくなって、海は汚れていくという悪循環が長い間のうちに海を駄目にしてきたのです。最近魚が獲れないと漁民が嘆いていますが、魚を獲り過ぎたり海を汚したりしたことも原因ですが、藻場に海草が生えないことも大きな原因のひとつと考えられています。

 最近高知県のある海沿いに面した町の人が双海町へ視察にやってきて、この海の様子を見て羨ましいと言って帰りました。高知県では磯焼け現象がひどいと嘆いていました。

 春から夏に移り変わる頃になるとこの海草は新しい海草に生え変わる準備のため、古い海草が自然に切れて海を漂い始めます。その一部はシーサイド公園などの海岸に流れ着き、処分に頭を痛めていますが、これも自然現象だと捉えなければなりません。流れた海草にはハマチやシイラといった回遊魚の卵が産み付けられるのですから無駄なことは一つもないのです。

 つい最近自然塩が注目を集めています。昔は流下式という製法で塩を作っていましたが、膨大な場所と重労働が必要なことからその方法で塩を作ることは姿を消し、イオン交換樹脂膜法による科学的な塩の製法に変わりましたが、実はこの海草の一種であるホンダワラに塩水をかけたものを煮詰めた藻塩という自然製法塩が、飛び切り上等の塩として売られているのです。今は呉市に合併した下蒲刈町で商品化されたこの塩は売り出したところ大きな反響を呼びました。わたしもこの町と深い関係があって度々訪れましたが、藻塩で食べる刺身や天ぷらは食材の味を一層引き立たせてくれたことを覚えています。

 双海町では漁協女性部の人たちが中心になってこの海を守る運動を長年行っています。山に木を植えたり、EM菌で下水処理お行っています。そうした取り組みが実って双海町の海岸は成り立っているのです。

  「海の底 山と同じで 藻が生えて 海底森林 酸素吐き出す」

  「一人から 始める環境 問題も 地球規模なる 大きな力に」

  「ホンダワラ 流れ着いたら ただのゴミ 活かして使えば 特産藻塩に」

  「この海を 守る人たち ひたむきに 木を植えEM ありとあらゆる」  

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