〇届いた一枚の絵
2~3日前の早朝、砥部町で板金塗装の自動車業を営む親友の稲葉さんがわが家へやって来ました。稲葉さんは不思議な方で、自動車業をするかたわら農業にも関心を示し、将来農業をやるべく人間牧場近くにある私の畑や石久保の農地を借りて野菜作りや果樹作りにいそしんでいるのです。稲葉さんは私と同じように早起きタイプで、夏等は住んでいる砥部町からトラックを走らせ、朝5時には人間牧場知覚の農場へやって来て涼しいうちに農作業をやり、会社が始まる9時には工場へ帰って仕事をするという多芸ぶりなのです。人懐っこい性格で畑の周囲の人たちともすっかりお友達になって、いい人間関係を保っているのです。
稲葉さんの夢は自分で作った野菜や果物を販売して収益を上げることのようで、ファーマースクールや特産品開発の講習会に参加するなど予備知識も高まり、既に唐辛子やジャガイモ等は見通しが立っているようです。
横道にそれましたが、稲葉さんは赤く実った唐辛子と新ショウガを手土産に持ってきました。と同時に額に入った一枚の絵を持参してくれました。この絵は砥部町在住の画家矢野徹志さんが、何年か前私を介した双海町の依頼で、第三セクターシーサイドふたみ(特産品センター)の買い物袋を作った折の原画なのです。この原画は矢野先生が保存していましたが、何回か出合ううち私にに差し上げるということでしたが、矢野先生も私も忙しいためすっかりその話を忘れていたのです。
ところが矢野先生の画廊里山房に時々通っている稲葉さんがこの話を聞きつけ、自分でこの絵に見合った額を購入して私にプレゼントしようと持参してくれたのです。絵や額がどれ程値打ちがあるのか未熟な私には分かりませんが、二人のご好意を甘んじて受けることにしました。矢野先生はこの絵の左下隅に「人間牧場若松の進ちゃんへ」と為書きまでしてくれていました。
さてこの絵をどこに飾ろうかと思案しています。人間牧場へは今のところ装飾品は皆無で殺風景なのは事実です。何か飾ろうかと思ったこともありましたが、設計を担当した息子といつも意見が分かれて、先日は家で使っていた小さいタンスをリフォーム工事で要らなくなり、処分に困ってロケ風呂の脱衣場へ置いたところ、息子の意にそぐわなかったのかタンスは、人間牧場の戸外で焼却処分されてしまったのです。息子の言い分も一利あるので、その行動は黙認しましたが、私がオーナーながら息子のセンスの良さを大事にしてやりたいとも思うので、相談して決めたいと思っています。
絵や調度品は人によってその価値判断が分かれます。息子がアベマリアさんに書いてもらった漫画チックな人間牧場の絵もまだ飾らないまま眠っています。果てさて絵一枚でも親子の確執はあるようです。
「進ちゃんへ 為書きのある 絵が届く 袋の原画 懐かしきかな」
「さてこの絵 どこへ飾ろう 思案する 息子と意見 またも対立?」
「アベマリア 書いてもらった 一枚の 漫画チックな 絵を思い出す」
「牧場も 粗方出来て これからは 性根を入れる 息子と諮る」