〇ゴルフ嫌いな私
私は紳士のスポーツといわれるゴルフはやったことがありません。といえば噓になりますが、私の友人にシングルの人がいて、「一度でいいから騙されたと思ってゴルフ場へいって見ないか」と誘われ、騙されたつもりで一回だけハーフコースの小さなゴルフ場へ出かけました。行ってみるとゴルフ場には何人かの人が、さもお金持ちのような服装で、楽しそうにゴルフを楽しんでいました。そこへ行くと私はカジュアルな服装とはいいながら、田舎のおじさんのような姿で、クラブを持ち、似合いもしないゴルフをやったのです。
残念ながら結果は散々で、林の中や砂の中、挙句の果ては池の中へゴルフボールを落として、一緒に行ったシングルの友だちの大いなる足手まといとなったのです。私はその時からゴルフが大嫌いになり、誘われようが、「お前はゴルフもできないのか」と馬鹿にされようが、ゴルフだけはすまいと心に決めたのです。
ゴルフのボールは小さ過ぎて、練習しているとはいえよくもまあ当たるものだ感心します。しかしプロの人さえ私が失敗したように時には失敗して、林の中や砂の中、時には池の中へボールを打ち込んでいますが、さすがにその人たちは顔色一つ変えず平静悠然としていて、相手と競争しているにもかかわらず相手をののしることもなく、「この人たちは余程人間ができている」と思ったりするのです。
私だったら悔しくてクラブを振り回して八つ当たりしたに違いないと、ゴルフをやらなかったことに、安堵の胸を撫で下ろすのです。若い石川さんや宮里さんのようにゴルフで賞金を稼ぐ人がいますが、ゴルフ嫌いな私は羨ましいとは思わないのです。
ゴルフが嫌いな理由はもう一つあります。それは暇と金がないのです。若いころから青年団活動や公民館活動に明け暮れ、その後のボランティア活動や地域活動で私にはゴルフをやる暇はありませんでした。また律義者の子沢山の宜しきを得て4人の子育てでゴルフをやるような金銭的余裕はなかったのです。ゴルフは大人の社交場といわれるように、ゴルフを通して人と人の交流や、仕事の相談等が行なわれているようですが、私はゴルフをしなくても、ゴルフを上回る人と情報のネットワークを得ることができたのですから、もう十分なんです。多分ではなく絶対、私はこれからもゴルフはしないでしょうから、別の人生を歩んでみたいと思っています。