〇本を読みながら背もたれ椅子でウトウトと
このところの陽気で気温がグングン上がり、日本全国のあちらこちらで30度を越して真夏日になったとテレビで報じています。東日本大震災の影響で電力不足に陥り、世の中は脱原発、脱贅沢、省エネなどに向かい、政府は電力の消費量を15パーセント削減する目標を発表しました。寒ければ暖房、暑ければ冷房という暮らしに慣れた贅沢極まりない日本人が果たして、寒さや暑さの我慢ができるかどうか、自分の暮らし方も含めじっくり観察したいものです。
暑からず寒からずというこの時期は、戸外へ出ると紫外線が強くて日焼けしたり暑く感じられたりしますが、室内に入ると気持ちがよく、窓を開けて戸外の風を入れると半袖では少し寒く感じるようです。こんな時期は暇さえあれば人間牧場へ行き、観音開きの戸を開けて背もたれ椅子を思いついた場所へ移動して置き、沢山の蔵書の中から何冊か本を見繕って横に置き、時の流れに棹差しながら本を読むのです。そして眠気を催せば開いた本を胸元に伏せ、タオルを目に被せてウトウトと空想に耽りながら昼寝三昧を楽しむのです。サンデー毎日のこの身ゆえ、誰からもとがめられず、また遠隔地ゆえ戸を叩く来客も殆んどなく、時折遠くで鳴くキジの「ケーンケーン」という声が聞こえる程度なのです。
昨日は人間牧場の雑石積み工事のため土建屋さんが4~5人外で仕事をしていましたが、「用事があったら呼んでください」と伝えていたので、のんびりゆっくり午後のひと時を過ごすことができました。宮本常一を扱った「風の人」という本と、「人間通」など2~3冊を乱読しつつ、1時間ばかり昼寝をし、その後は佃煮にするためフキを二束収穫しました。一束は近所に住む姉にお裾分けしましたが、もう一束のフキは今朝庭の隅で皮を剥いで灰汁を取るために軽めに湯がき、今は水道水で晒しています。今夜辺り妻が調理をして食卓に上るものと思われます。
今年も早半ばを向かえ時の流れの速さをしみじみ感じます。でもふと我に帰り生き方や人生、それに季節の移ろいを感じとるようになっただけでもえらい進歩だと、自分自身の行き方に納得しながら、今日も少し風邪気味をいいことにのんびり過ごしているところです。
「風の音 鳥の鳴き声 背もたれに 体埋もらせ 静かに聴きぬ」
「ウトウトと ついウトウトと 昼寝する 少し元気が 回復したよう」
「根元から ハサミで切りて 元揃え フキを二束 抱えて帰る」
「海と空 区別もつかぬ ほど霞み 宇宙連想 人間牧場」