○大学生に話す
小学生は40分、中学生は50分、高校生は60分、大学生は90分というのが、話しを聞いてもらえる長さだと意識して、小・中・高・大それぞれの年齢階層に応じた話をしていますが、今日は大学生に90分の話しをして欲しいと娘婿に頼まれ、ふたみ潮風ふれあいの館へ行きました。昨日から愛媛大学法文学部の学生が合宿研修をしており、その一環としての話です。相手は一回生とニ回生ですが、新入一回生は4日前まで高校生だった若者ですから、さてどんな話にしようかと思いつつ話しをしました。
感想からいえば少々気になるくらい非常に真面目で、熱心に聞き入り、そして質問や意見もテキパキとして感心してしまいました。
今日は高知大学大学院に在籍している双海町出身の堀川奈津さんについて少しお話しました。堀川さんは次号の「舞たうん」にも書いていますが、大学のインターンシップで高知県奈半利町へ派遣されました。そして若者らしい感性で奈半利のまちづくりに深く関わり、地域の人から絶大な信頼を得た女性です。彼女の卒論を読ませてもらいましたが、地域に関われば関わるほど地域の他力本願的なものが目に付いて、地域の自立について考えさせられたそうです。結局地域は彼女に何を求めたのか結論を得ぬままでしたが、彼女の発した地域づくりへのシグナルは大きなインパクトを与えたようです。
これまでだと大学生は学ぶ存在ですから、ある意味で地域づくりの蚊帳の外でした。いつかは役に立つだろうという安易な考えで大学も地域づくりの学習をさせますが、最近はフィールドワークやインターンシップなどの導入によって随分学生に地位へのかかわり方が変わってきました。できれば大学生もアルバイトや遊びに熱中することも大事ですが、在学中から地域に深く関わって欲しいと思うのです。
大学も最近は少しずつ変化をしていて、地域づくりのコースが出来たり、これまでのペーパー受験から、自分の考えを試験官の前でプレゼンテーションする提案型へ移行している所もあるようです。自分の偏差値だけで行ける大学を選び、将来何になり何をしたいのか分らぬまま大学に入って、就職すらできない人たちもいるのです。私の話はそんな願いを込めて熱っぽく話したつもりですが、心の扉を開くことは出来ないまでも、心のどこかに共鳴して欲しいと願っています。
このところ大学生や青年が私の所へやって来る人と機会が増えてきました。多分混迷社会を反映したり、人間は何のために生きるのかといった疑問が若者の間に芽生えているからかも知れません。またスピード化したり事件犯罪が続発するする社会に疑問を投げかけ、スローライフな生き方を既に模索している若者すらいるのです。
私たちから見ると羨ましくなるような知識とエネルギー、それに行動力を持った若者たちが、国や社会のためとまでは言わなくても、住んでいるまちに思いを寄せて生きるような地域づくりをこれからも目指したいと思っています。反面教師ではありませんが、若い人に出会う度に、自分の生き方を問い直せることはとても素晴らしく、今後も出来る限り若者と接したいと思いました。
「若者に 話すのだから 胸を張り 伝えたいこと しっかり伝う」
「もう少し 若さ欲しいと 六十を 越えた私が 声高喋る」
「否定する 意見が欲しい 思いつつ 喧嘩売るよな 話したけど」
「優等生 ばかり揃えた 大学は 面白くなし もっと喚けよ」