○記念撮影
長女夫婦の次男で私たち夫婦にとっては二番目の孫が生まれたのは5月17日でした。長男が朋樹で次男はよく似た尚樹と命名され、母乳でスクスクと元気に育っています。二番目の馴れ合いか名付けなどの公式行事もなく少々不満ですが、私たちの口出すことではないので妻に対してブツブツ小言を言う程度で片付けていましたが、今日は娘夫婦から近所の写真館で記念撮影をしないかと提案がありました。妻も私も喜んで今朝から出かけました。世の中不思議なご縁で、娘夫婦が選んだ写真館のご主人が、私が松山工業高校のPTA会長をしていた折その学校の事務長をしていた方で、久しぶりの出会いに懐かしさ一入でした。奥さんと息子さんがカメラマンとして腕を振るわれていましたが、立派なスタジオのある写真館で主役である孫たちはそれぞれよそ行きの服を着せられて興奮気味で撮影に望みました。私たち家族はこんな晴れ姿で記念撮影をした経験はなく、私も妻も何となく落ち着かない雰囲気でしたが、当の孫たちは気後れすることもなく撮影は順調に進みました。カメラマンも手馴れたもので、僅か生後二ヶ月のまだ視界も効かない孫でさえ泣くこともなくカメラマンの求めに応じてそれなりに写すのですからやはりプロなのでしょう。朋樹薫はもう4歳ですから時折肩をすぼめたりポーズをとったり表情が豊かで、さすがにカメラマンも手を焼いているようでした。その分いい写真が出来るのではないかと期待しています。
ベビー服の尚樹君とクロのタキシード姿も凛々しい朋樹君はそれぞれ個人写真を撮り、親子家族、私たち両親を含めた集合写真と撮影が進みましたが、はて私たちの存在はどう説明すればいいのか、正直頭の隅を娘の夫の母親の顔が頭をよぎりました。娘婿は大阪羽曳野の出身です。お父さんは娘との結婚前に既に他界していますが、お母さんは高齢ながら羽曳野で一人暮らしをしています。親一人子一人なので、私たちが孫をいとおしいと思うように孫への思いもいとおしいに違いありませんが、遠隔地や高齢、加えて娘婿の仕事が愛媛大学なので、親子別々の暮しを余儀なくされ、孫には会いたくても盆と正月の年二回なのです。本当は私たち夫婦夫婦だけではなく娘婿のお母さんが一緒の写真に写るべきだと思いました。間もなく来月はお盆月で帰省して孫の顔を見せるのでしょうが、今頃は指折り数えて孫と息子夫婦の帰省を心待ちにしていることでしょう。
孫の成長は早いものです。まだ誕生して二ヶ月そこそこなのに早くも目が見えて時折笑顔を見せるようになりました。自分の指も吸ったりゆりかごを自分でゆする仕草もします。ジジバカと言われそうですがまるで猿のような赤ちゃんが人間らしい姿になり、可愛さは日々に増すばかりです。
今日は私たち夫婦が二人の孫の面倒を見ながら留守番をする事になりました。娘夫婦は久しぶりにそろって外出し、孫の内祝いを処理するするそうです。あらかじめ母乳を哺乳瓶に搾って入れ出かけましたが、多少のぐずりはあっても、性がよく何とか3時間余りを子守しました。私はもっぱら朋樹君のお世話で、近所の松山神社の境内に散歩に行って孫のはまっている虫取りをしました。途中団子虫とカブトムシを捕まえて意気揚々と引き上げ、二人で道後温泉椿湯へ風呂に出かけました。昼間のことゆえ湯船は比較的空いていて、少し深めの湯船や洗い場で遊び、近くのコンビニでかき氷を食べて汗を引かせました。孫の湯上りの匂いはまさに子どもの匂いで、いい心持となりました。孫が「じいちゃん」といってくれるのも後何年くらいでしょうか。湯船である老人が「お孫さんとご一緒で羨ましいですなあ」と言ってくれました。幸せでした。
「写真屋で 孫と一緒に 写真撮る 緊張面持ち はいリラックス」
「この場所に 一緒にいたら どんなにか 喜ぶだろうと 婿母思う」
「湯船にて 孫と一緒の 姿見て 幸せそうだと 寂しい声で」
「早俺の 顔見て笑う 孫嬉し ジジバカ目尻 八時二十分」