shin-1さんの日記

○虫の目になって見ることも大事

 昨日外出先から帰ってみると沢山の郵便物に交じって一枚の絵ハガキが届いていました。私の友人でえひめ地域づくり研究会議事務局長の岡崎直司さんからでした。岡崎さんとは彼が八幡浜市にある建設会社で、「あけぼの」という失礼な話ですが建設会社らしからぬ広報を担当していた頃知り合いました。私もかつては町の広報を担当していたこともあって、彼の視点の鋭さに驚いたものでした。その後私が代表運営委員、彼が事務局長という名コンビでつかず離れず色々な出会いを重ねてきたのです。

 彼は通称路上ウォッチャーで、足元の下水蓋であろうと屋根の鬼瓦であろうと目につく珍しものはどんどん写真に収めてスライドにして、勉強会などで参加した皆さんに紹介するのです。その域はプロで、確か「歩きメデスは見た」という彼の本は愛媛出版文化賞を受賞しているのです。まあとにかく彼の目から見れば何でもお宝に見えるようで、やかんの古くなったやかんを植木鉢にして何気なく置いているユーモラスな一品をスライドで見せてもらったとき、思わず吹き出してしまいました。

 彼は父親の転勤でまるでジプシーのように20数回移転移動した珍しい経験を持っています。ゆえに好奇心旺盛な目と心が育ったのだろうと思うのですが、彼の作品と思える自分の目で見た珍しい写真は、古い文化の消えゆく現代にあって、貴重な資料として記録に残ることでしょう。

 昨年愛媛県西予市を主会場に開かれた町並みゼミも彼は実行委員長を務めた若い大氣さんたちと一緒になって孤軍奮闘して見事に成功させました。私が実行委員長をしていた地域づくり全国大会が官の力であったのに対し、彼がやった全国大会は民の力でした。大会はいずれも成功し甲乙つけがたい成果を収めましたが、民の力は後に続くものだと、その後の活動を見て思うのです。

若松進一ブログ

 岡崎さんの許しを得ぬまま、手元のカメラで転写しましたが、絵ハガキの表に「写真は上灘川上流大カーブ、安山岩のハネ出し石(源田石と同質)」とペンで走り書きの注釈が付けられていました。

 このように私の町の石垣であるのにわたしはこれまでその存在さえも分からなかったのです。遠くを見ることも鳥瞰として大切ですが、虫瞰として足元を見ることもまた大事で、複眼の視点こそ大事だと改めて教えていただいた感じがしました。

 このハガキは先日宇和町で開かれた集会に招かれた折、出席していた彼が私の話を聞いての感想とお礼状でした。末尾に「返信のお気づかいは無きよう」と書かれていたので、あえて返信はせず、返信に代えてブログに感想をしたためました。


  「エッこんな 珍しいもの あったのか? ウォッチャーハガキ 見ても気づかず」

  「そういえば 記憶辿りつ あそこらか 一度訪ねて 価値を認識」

  「わが町も その気になって 見てみれば 結構楽しい 所いっぱい」

  「虫の目と 鳥の目二つ 持ち合わせ 生きて行けよと 教えるハガキ」

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