○私の春休み第一日目は人間牧場の草刈り
「この一週間は私の春休み」とブログで公表してお休みを取り始めての第一日目の昨日は、「それなら家にいるだろう」と、ブログ愛読者の何人かから御誘いの電話が入りました。それでも昨日は曇りながら人間牧場での草刈りや春を迎える準備をするべく、誘いの電話での予約を夕方に回して、草刈りを決行しました。春まだ浅いというのに外の風はまだ結構冷たく、体を動かしても汗をかくこともなく草刈りには絶好の日和でした。人間牧場の草刈りは半日ペースで3日間くらいかかるのですが、とりあえず水平線の家やロケ風呂、ツリーハウス周辺の草を刈ることにしました。私と同じく古くなった草刈り機に混合油を入れ、始動のひもを引っ張ると、昨年秋からお休みしていたエンジンなのに2~3回で動き始めました。ロートルながら凄い働きの草刈り機に感謝しながら草を刈って行くのです。人間牧場のあちこちには青々と茂った野生のツワブキがやたらとあって、草刈りの度に残しておけば3年で立派な親株ができて、このころになると食用になる太い新芽が次々伸びているのです。草刈りの手を休めて食用に二束ほど引き抜きました。皮を剥く手間がアクが強くて厄介ですが、これがとびきり美味しい山菜なので、明日の夜には魚と一緒に煮つけて食べる予定です。
草刈りの邪魔になる、草に埋もれている冬の間に剪定していた杉の枝を一か所に集め、焼却処分することにしました。毎回野焼きする場所にそれらをうず高く積んで火をつけると、杉葉は勢いよく燃え始めました。牧場内のあちこちから枯れ木を集めるため、畑を上がったり下がったりするため結構きつい運動力でした。
草刈り機で草をなぎ倒していくのですが、この時期ははこべ草がスネくらいの深さほども伸びていて、何度も草刈り機に巻き付き、その度にエンジンは鈍い音を立てて息絶え絶えです。午前中約3時間で周辺は見違えるようにすっきりとしました。
ウッドデッキに座り妻の用意してくれた弁当を食べながらお昼をのんびり過ごしましたが、小雨がパラついていた天気も予報通り、昼を過ぎると青空が広がり、海の色も真っ青な春の海に変身です。遠望の山々は新芽が伸び始めもう間もなく萌えるような季節を迎えます。山桜は深い小豆色の葉と花をつけて春を彩っています。遅まきながら藪椿も咲き始め人間牧場周辺は一年中で一番美しい時期なのです。
草刈りの途中にズボンのポケットに入れた携帯電話のマナーモードが振動し、盛んに私を呼び出すのです。そういえば昨日は年度末最後の日でした。退任・新任・異動の連絡がひっきりなしにかかってきました。また北海道の船木さんからは9月18日に佐呂間での講演依頼が入りました。便利な世の中になったもので、草刈りの仕事をしながら、またこんな人里離れた場所で連絡が取れ会うのですから驚きです。この4年間、この人間牧場でどれほどの講演依頼や打ち合わせをしてきたことでしょう。電話回線にインターネットを接続すれば完璧にここでも仕事は十分可能なのです。
草刈り機で草を刈って行くと、思わず刈るのは惜しい草花に出会います。アザミなどはその典型で、とげがあるものの濃い紫の花は気品漂う花なのです。いちいち残しておくこともできないので倒しましたが、可哀そうと思いデジカメに収めました。
草刈りを午後3時に終え、水平線の家の窓を全部開けて風を送り込み、掃除機を丁寧にかけて掃除を終え、友達との待ち合わせ約束のために山を降りました。
「山桜 濃い小豆色 咲き誇り メジロ二三羽 長閑に飛びぬ」
「ポケットで 携帯バイブ 肌伝う その度作業 中断せざる」
「草埋もれ 刈られし定め 野アザミを カメラに収め しばし見とれて」
「野の花に 囲まれ過ごす 一日を 至福と思い 鼻を花寄せ」