shin-1さんの日記

○地域資源を生かす

(フォーラムパンフレット)

 昨日は高知市文化プラザかるぽーとという、凄い施設で開かれた中小企業基盤整備機構の主催する「地域資源活用促進フォーラム」のパネラーとして、壇上に上がりました。新聞や雑誌で時々お目にかかる玄代表の政所利子さんの「四国ブランド活性化戦略」と題した基調講演を聞き、「素材とマーケットの出会い」とうテーマでパネルディスカッションをやりました。四国地域支援事務局ゼネラルマネージャーの三井文博さんの軽妙なコーディネートで、三重県伊賀の里モクモク手づくりファーム専務の吉田さんと私、それに政所さんの三人で話しをする予定でしたが、会議が始まる前に高知県馬路村の東谷組合長さんから会議に出席したい旨の電話が私に入り、折角来るのだったらパネラーに加わってもらうという事務局の判断で、急遽四人の賑やかな討論となりました。

(政所利子さんの基調講演)

 僅か1時間半余りの短い時間だったため、議論ではなく事例の発表に留まりましたが、地域づくりの現場で働いてきた私の主張は、何十億円も売り上げる吉田さんや東谷さんの生き方と全く違うため、参加した人たちの目と耳にどう映ったか、少し心配になりました。

(吉田修さんの話に魅了されました)

 吉田さんの生き方は農事組合法人を設立して自然・農業・食農をテーマにした農業公園をつくり上げ、ユニークな手法と情熱で、創業以来消費者の心の中に隠れたニーズを掘り起こし農業の新しい価値をつくり上げたとして、観光カリスマ百選を受賞しています。

 東谷さんは農協職員として特産品であるユズを地域資源にしてごっくん馬路村という商品を開発し、人口1100人余りの村で年商30億円も業績を上げて注目を集める人です。

 片や私はどうか、第三セクターは設立以来13年間一度も赤字にならなく黒字経営、しかも5パーセントの配当、そして年間55万人がやって来ると胸を張っていますが、たかだか年商数億円程度の道の駅に甘んじているのですから、勝負にはならないのです。吉田さんは法人経営、東谷さんは組合運動と微妙に違う生き方を披露されましたが、時代の要請に応えながら成長し、後戻りの出来ない企業になっているようでした。最近まで「大きいことはいいことだ」と右肩上がりを誰もが狙ってきましたが、最早それは私たちのやっているまちづくりや村づくりでは手の届かない世界のように思えました。参加した人たちにとって吉田さんや東谷さんの話はため息の漏れるような凄さです。そこへ到達するための並々ならぬ知恵と行動に大きな拍手を送りました。

(会場はまるで東京の施設のようでした)
 

 私の持論は「身の丈で持続可能な成長」を考えています。身の丈とは田舎のおじちゃんやおばちゃんでも頑張れることです。面白可笑しく、それでいて生きて働けることを実感できるということです。持続可能とはそんなに売り上げ高を伸ばすことなく、しっかりと経営することです。30億円売って2千万円の赤字を出すより、2億円の売り上げでも2百万円の黒字を出し、地域に還元するする方がいいという考えです。そんな考えが浸透して、田舎のおばちゃんの集団が「じゃこ天で儲けてヨーロッパに行こう」などと、それなりに夢を持って生きているのですから世の中は不思議です。

 先日えひめ地域政策研究センターの丹羽部長さんと話しをしていて、地域資源を漢字で表すとどうなるかという話しを聞きました。優・少・凡・負・棄・未ではないかというのですが、私はもう一つ美を加えて7つにしました。美しい地域資源とは何か、私の取り組んだ夕日も花も美しいのです。夕日は自然の美しさ、花は人の心で咲かせる美しさがあって、むしろ作り上げる地域資源です。でも地域資源をひとまとめにすると「感」かも知れないと思いました。結局感動しない地域資源は人の心に届かないし経済に結びつかないような気がしました。

 「オンリーワン」を貫くこともまあいいかと思いつつ帰路につきました。

  「それぞれに 違う生き方 あればこそ 議論成り立つ それでいいんだ」

  「会いたいと 思う人あり 会えました 思われるよな 人にならねば」

  「二時間の 話のために 三百キロ 往復時間 無駄には出来ぬ」

  「回り道 やったお陰で いい事を 学ぶ出会いが 知識を増やす」

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