○いい湯だな
昨日は急な思いつきで夕方4時から息子と二人で人間牧場へ出かけました。体力に勝る息子の力を借りて耕運機を下の畑まで降ろし、ペレット牛糞をすきこむ作業をするためです。畑もそろそろ春の農作業の準備なのです。亀本さんから貰った耕耘機も冬の寒さで長い間使わずに作業小屋にしまっていて、エンジンをかけるのが大変だろうと思いきや、調子が良く2~3回引っ張っただけで快調に始動しました。早速急な坂道を下まで降ろし、早速ペレットを畑に振り撒いて耕運機で中耕しました。この畑は今年も予定している子供たちのサツマイモ植えに使う大切な場所なので、しっかりと耕して管理しておかなければならないのです。
まず息子が運んでくれた牛糞ペレットを畑に満遍なく撒き散らしました。ペレット状の牛糞は何の雑作もなく振り撒けました。
振り撒いた後を耕運機で耕すのですが、畑の傾斜があるためこの作業は中々大変です。こんな作業はこの3~4年やっている馴れた作業なのであっという間に終り、息子の力を借りて再び上まで揚げて倉庫に収納し無事作業を終えましたが、ペレット実験プロジェクト事業のため私の作業風景は息子に頼んで写真に収めました。
私が作業をしている間に息子は五右衛門風呂、通称ロケ風呂を沸かし始めました。穏やかといっても冬の寒さなので、風呂に入るには絶好のチャンスです。辺りを見渡すと夕日に照らされた湾岸の素晴らしい眺望が眼下に開け、沖に浮かぶ島々が冬としては珍しいほどくっきりと見えました。
(夕日に照らされた双海町の豊田漁港から松山道後平野に至る素晴らしい眺望が開けていました)
(私たちが20年間に渡って無人島キャンプをした由利島も沖合い遠くにくっきりと見えました(
(ここから一番近くに見える島は旧長浜町の青島です)
風呂が沸いたようなので今年最初の入浴を楽しもうと、沸かした息子がまず入りました。入浴シーンを写真に撮ることも余りないので、外側から撮ってやりました。風呂のお湯がモザイク状になってほっとしましたが息子の入浴シーンも中々絵になる光景です。
続いて私の番です。下簾板を沈めたっぷりの湯に体を沈め、短いながら農作業で疲れた体を癒しました。風呂の揚げ窓からは瀬戸内海の夕暮れがまるで絵のように見え、これぞ「ロケ風呂」と幸せをかみ締めました。息子がこんな風呂を作りたいと言った時には金のいることゆえ、「また建築士の独りよがり」と思ったものです。設計という仕事は目に見えない夢を絵にします。多分私には見えない心の目でこの姿を見ていたに違いありません。斜面を最大限に利用したロケ風呂は、出来上がってこうして入って今にして思えば、いいアイディアだったとしみじみ思うのです。
息子の夢はこの風呂に続いて露天風呂を作ることだそうです。多分彼の夢の実現にはオーナーである私の懐を当てにしてのことでしょうが、最初は馬鹿げたこととその提案を鼻で笑っている私も、昨日風呂に入りながら息子の話しに、何となく相槌を打ち始めた自分に気付いています。
人間何が幸せか?と尋ねられたら、「究極の幸せは人のために出来る幸せ」なんて、講演で格好いい事を御託並べていっている自分ですから、人間牧場に来た人が喜ぶ露天風呂も悪くはないと思うようになりました。さてその夢を実現するための軍資金をどう調達するか、またまた新たなプロジェクトの作戦が始まったようです。
「山の家 息子沸かせし 風呂に入る 眼下広がる 島影望み」
「いい湯だな 思わず鼻歌 歌いつつ 次なる夢は 露天風呂とは」
「入浴の シーン写真を ブログ載せ まるで迷惑 メールのようだ」
「作業終え 今年最初の 風呂に入る 金はないけど こんな贅沢」