○あなたはどうして輝いているの?
私の知人友人たちが60歳定年というハードルを越えて、私と同じ自由人の仲間入りをし始めました。これまで肩書きや名刺がものをいう社会にいた人間にとって自由は憧れですから、殆どの人があれもしたいこれもしたいと思っているに違いありません。しかしいざ自由人になってみると、確かに会社や役所の縛りから開放されて誰はばかることなく発言や行動が出来るのですが、その反面収入がなくなるばかりでなく、今まで肩書きがものをいっていたのに、ただの人になるのですからその落差は相当なものなのです。こんなはずではなかったと思ってみても、世の中はそんなに甘くはなく、現役では生き生きと輝いていた人が自由人になった途端、まるでしぼんだ風船のように見る影もなく、健康までも損ねて落ちぶれている姿は哀れささえ感じるのです。
数日前、えひめ地域づくり研究会議の年次フォーラムに参加してもらった友人と久しぶりに出会いお話をしました。「若松さん、あんたは仕事を辞める前も辞めた後も変わらず生き生きと輝いて生きていますが、羨ましい限りですね」と言われました。確かに私は言われるほど輝いてはいませんが、そこそこ輝いて生きていることは確かです。友人は「輝いて生きるコツは何ですか」と追い討ちの質問を投げかけてきました。
私の輝きの秘訣は強いてあげれば「目標をもって生きる」「健康に生きる」「家族とともに生きる」「仕事に生きる」くらいだと思います。
「目標を持って生きる」ことは二十三歳の時、青年学級で生活設計を教わり、自分の人生は自分がコントロールできることを学んだことが役立っています。今振り返れば26歳で結婚する、子どもを4人作る、30歳でアメリカへ行くなど夢はドリームではなくターゲットできたのです。60歳からの人生も50代で「人間牧場構想」という楽しく生きる自由人としての夢を描いていました。その結果大きな果実を手に入れ今は目標を持って生きているのです。
「健康に生きる」は、心の健康と体の健康のバランスです。飲食生活は酒を止めたことで随分改善され、まちづくりの中で学んだ健康に生きるための工夫が実践という形で体に表れています。勿論自称ポジティブ・マンというほどプラス思考で日々を暮らしています。
「家族とともに生きる」は、現役中は働き蜂の異名を取るほど随分働いたため、家族をないがしろにして生きてきました、家庭を顧みなかった駄目亭主も今では軌道修正して家族とともに生きる事を実践しているのです。人間牧場づくりは家族との関係を見事に修復してくれたように思うのです。
「仕事に生きる」ですが、リタイアしているもののセミリタイアで、愛媛大学の非常勤講師や、地域づくりに関する講演などで忙しく全国行脚が出来ることも、若い頃からの蓄積が生んだ結果だと思うのです。
勿論いささかなりとも社会貢献しなければなりませんから、地域の自治会活動や人間牧場での少年少女おもしろ教室など、積極的に関わっています。そうすることが「目標」や「健康」、「家族」「仕事」への新しい生き方へと進化をしていくのです。
人間は積極的、すなわちポジティブに生きてゆかなければ進化はせず、むしろ後退の道を辿ります。去年よりは今年、今年よりは来年とステップアップすることが人間として生きていることの意味だと思うのです。
「羨まし あなたは何故に 輝いて? いわれてはてな? 四つくらいか」
「目標を 超えれば次の 目標が 出来るものです ポジティブ生きりゃ」
「当分は 生き生き生きれ そうですと 仲間に話す 仲間負けたと」
「家族です 歯の浮くような 一言を 言えりゃ本物 私本物」