○ブルーベリーを植える
「この苗は酸性を好むので酸性の土地に植えてください」とホームセンターの店先で店員さんに言われました。「酸性の土地ってどんな土地ですか」と聞き返すと、「言葉で説明するのは難しいですね」と追い討ち発言です。さて困りました。浅はかな私の知識ではそこから先へ進めないものですから、「酸性の土を好むこの木に合うような土はどれですか」と尋ねると、「ピートモスがいいです」と連れて行かれた場所は、鹿沼土や赤玉土などをうず高く積んでいる資材置き場でした。「少し高いのですがこの土なら最適です」と言われて買ったのが「ピートモス」というどちらかというと土でなくコケに近くて軽いフワフワ状のものを一袋買って帰りました。
昨年の春先メールサイトで私が「ブルーベリーを植えてみたい」と書いたら、多くの方々からご意見や資料が寄せられました。しかしその時は既に遅かったため断念していましたが、昨日たまたたま立ち寄ったホームセンターでブルーベリーの苗が売られているのを見て植える気になったのです。苗木としては小さいながら一本千円以上するかなり高いものなので、5本買い求めました。ついでに昨年植えたスモモの一本が夏の暑さにやられて枯れたため少し別の品種をと思い2本、そして昨年植え足りなかった梅を一本追加して、8本もの苗を買ったのです。
田舎のオープンカーこと軽四トラックで行っていたので、その足で夕やみ迫る山道を走って人間牧場へ向いました。そして毎年草ばかり刈って用をなさない水平線の家ウッドデッキ下の斜面に植えることを思い立ち、平鍬でそこら辺の草を削って除け、中耕して5本のブルーベリーが植わる程度の畑を確保したのです。ここなら半日陰でブルーベリーの植栽場所には申し分ないと思い、穴を5つ掘りました。そしてブルーベリーの苗木を穴の中に差込みまわりにピートモスを丁寧に入れて上へ土を被せました。本当は大きな植木鉢にピートモスで植え付けたかったのですが、夏の水遣りなどを考えると枯らしてしまう恐れがあるので、露地栽培にしたのです。植え終わると午後5時のミュージックサイレンが鳴って、夕日が西の端に傾きあと3本の苗木も植えなければならず、急いで作業を終わらせました。何はともあれ「植えない木は育たない」ので、とりあえずブルーベリーの収穫を夢見ることができてホッとしています。
家に帰ると、「今日は早く帰る」と言って家を出たものですから、帰宅が遅いため心配していた妻が夕食の準備をして待っていました。ブルーベリーを植栽したことを話すと妻は、「お父さんブルーベリーは実がなりだすと毎日収穫しなければ鳥に食べられてしまうのに、毎日行けない所に植えてどうするの」とシビアな反論が返ってきました。「うるさい」と発言を一蹴しましたが、よくよく考えると妻の言う通りなのです。近所に住む西岡さんがブルーベリーの観光園を開いていますが、収穫期になると大変だと話していたのを思い出しました。
まあこの5本が枯れず順調に育てばの話ですから、そんなに目くじら立てて夫婦喧嘩をすることもあるまいと、軽く受け流しましたが、私の計画ではブルーベリーは最終的に20本植える予定ですから、妻の意見も意見として尊重したいと思っています。
人間牧場は様々な果樹が実る事を考えていますが、自分の動けるこれからの年齢を考えると、この2~3年間で植栽は終わらせないと成果が見えないのです。でも私の後を引き継ぐ長男の事を思えば、そんなに焦ることもないので、気長に考えましょうか。
「酸性の 土地を好むと 言われても 何処が酸性? 賛成しかね」
「実のなるを 夢見て畑 苗木植え 妻に文句の 一つも言われ」
「何処となく 苗木売り場が 気にかかる 買うか買わぬか 試案しどころ」
「目にいいと 妻は今から 楽しんで なる頃いつか 分らぬものを」