○ぎっくり腰の道中記
今日は朝早く起きて東広島市へやって来ました。土曜日にひょっとしたことからぎっくり腰になり、腹を引っ込め背中を丸くして歩くぎっくり腰の姿は何とも醜い姿で、どこから見ても「やつれた中年のおっさん」としか見えないのです。松山の船着場でトイレに入り自分の姿を鏡に写し、しゃんと背筋を伸ばしたつもりでも、鏡は正直で虚像なのに実像に写ってしまうのです。「鏡よ鏡よ鏡さん、私を元気そうに、そして逞しく見せてください」といっても鏡は私の魔法を聞いてくれないのです。
自宅を出る時妻が心配して「今日は広島行きは止めた方がいい」と、辛そうに歩く私を見て心配してくれましたが、相手に対して失礼だからと、我慢をして家を出ました。松山観光港の船着場までは普通1時間半はかかるのですが、ゆっくり行こうと6時に家を出たため、点滅信号をすいすい走り、6時40分に到着、駐車場に車を止めてチケット販売所まで行きましたが、ここでもすいすいチケットが買えて思い切ってギリギリの広島直行便に飛び乗りました。今朝の瀬戸内海は波もなく鏡のような夏特有の海で、揺れることもなくスイスイです。私は腰が痛いので背もたれを倒すと起き上がる時が怖いので、ずっと背筋を伸ばして座っていましたが、手持ち無沙汰なので、持って来たはがきを書き始めました。わずか1時間10分の旅でしたが、6通ものハガキを書くことができたのです。旅先の船の中で書くハガキは受け取る側には失礼なのですが、旅先で思い出してもらえる独特のものがあると独りよがりしながら書きました。まだ持って来たハガキが舞い残っているので、帰りの船便の楽しみにしたいと思います。
会場となった東広島市中央公民館は西条駅の近くにありました。腰の具合をいいことに不案内なこともあって担当者の上杉さんに電話を入れると、早坂さんという方が駅まで迎えに来てくれました。聞くところによると早坂さんは愛媛県出身とか、異郷の地でこんなにうれしいことはありません。何でも広島大学を出た関係で市役所に就職したそうで、ふたみシーサイド公園へも若いころちょくちょく来たこともあり、じゃこ天を食べた話でまるで親戚のような親近感を覚えました。
午後1時から始まった新採用職員研修会は前段2時間講義を行い、後段1時間は私を囲んでの座談会という時間設定でした。「若松進一さんの仕事を楽しくする話」というタイトルだったので、急遽話のストーリーを変えて話しました。今回の研修は私のことについて事前に学習し、私への質問をあらかじめペーパーにして送ってくるなど、事務局の周到な準備が行われていました。しかし残念なことに私は忙しさのあまり、そいてぎっくり腰の影響で、さらに家で起こったちょっとしたハプニングの対応に追われ、その質問用紙を見たのは、広島駅発西条駅到着までの、僅か30分だったのです。そこで初めてみなさんの質問を知り、講義の内容を大幅に変えることにしました。でも皆さんの私に対する話が新鮮だったのは、怪我の功名だったのかもしれません。
相手たる研修生に聞いた訳ではありませんが、講義机で話す私に対して帰ってくる反応はかなりよかったと思います。すべての参加者に満足を与えることはできませんが、せめて一人ぐらいは心の変容を期待したいものです。
事務局の方から座っての講義を勧められましたが、私は講義の2時間をプロですので立ってやりました。不思議なものです。あれほど痛かった腰の具合が、研修が終わるころには随分よくなっているのです。明日の朝どんな具合か定かではありませんが、明日は午前中と午後の2講座が控えています。上杉さんと小料理屋で美味しい魚料理を食べて帰りましたので、今夜は旅先西条駅前の東横インのシングル禁煙の部屋でひとりゆっくりくつろいで過ごします。
「ぎっくりの 腰をかばった この姿 新採若者 どんなに映る」
「行くのよせ 妻は気遣い そういうが 相手思うと 休むに休めず」
「二時間の 立った講義が 終わるころ 腰の具合が不思議よくなり」
「腰はどう 気遣う妻の 電話入る 無理をしないで 追加の言葉」
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本日は貴重な時間をどうもありがとうございました。若松さんのお話はとても興味深くたいへん参考になりました。これからも市職員として信念・熱意・ゆめを持って自分なりに頑張っていきたいと思います。
P・S
最後に撮られた写真は消さずに大切に保存しておいて下さいね。