○本当に届いた便り
私は20年間も毎日ハガキを三枚書いています。「うそー」と言われそうですが本当なのです。お陰様で毎日朝晩ハガキを書くことが日課になっています。全国各地へ度に出ることが多い私ですが、その時はハガキに切手を貼って3枚×日数分枚数をカバンに忍ばせて出かけ、駅や飛行場ではこれまた20年間に渡って持ち歩いている木のカバンを移動机にしてハガキを書き投函するのです。何年もこんな作業をしているとよくしたもので郵便ポストのある場所が大体分るようになってきましたし、ホテルなどではまずい字で恥かしいのですが、フロントの方にお願いして出してもらったしています。
私はハガキの効用を「小さな実践の積み重ね」の重要性について講演でよく話します。ですから今まで沢山の人が私の話を聞いたのでしょうが、何故かハガキをくれる人は少ないようです。それほど小さな実践は実を結ばないものなのです。私はめげることなく「1パーセント実践」を目安にしています。つまり100人に話してもそのうちの一人がハガキを書く勇気を持ったらそれこそ大したものだという気休めなのです。
この事を面白おかしく話すものですから、時には時間がないため「私にハガキを書く勇気を実践してください。私には郵便番号と愛媛県・若松進一様で着ますから」というのです。ところがある集会で言った言葉を間に受けたまではよかったのですが、郵便番号を書かずに郵便物が迷って元の差出人に逆戻りしたそうなのです。私が幾ら有名人でもそれは無理だと思うのです。でも実は15年も前に本当にあった本当の話ですが、不思議や不思議、「愛媛県・若松進一」だけで郵便番号も書いていないのに、県外から手紙が届いたことがあるのです。多分その頃は四国郵政研修所の講師を務め度々郵便局員の前でお話をしていたので、中継局の担当の方が気がついて贈ってくれたのではないかと思うのですが、それにしても不思議な話で「お父さんあなたも有名になったものだねえ、愛媛県・若松進一で郵便物が届くのだから」と妻を驚かせたものでした。
昨日届いた手紙はウチワに書かれた特別サイズのハガキです。埼玉県の方からですが、私の講演を埼玉県で聞いて「愛媛県・若松進一」だけで便りを出したそうです。ものの見事に跳ね返され戻ってきたそうですが、講演を一緒に聞いた龍前さんから住所を聞き出し戻った頼りも一緒に入れて今度は間違わずに私の元へ届きました。一度はあきらめかけていた便りに挑戦して届いた便りだけに何倍も嬉しくなりました。個人情報もあるのでしょうが、あえて実名を使い岡田和子さんの勇気ある行動に大きな拍手を送りたいと思うのです。
私は早速ハガキをしたためました。ウチワで暑中見舞いですから私も負けじと、人間牧場に作ったロケ風呂、つまり五右衛門風呂を悠然と楽しむ次男と孫の写った写真をハガキにプリントして書きました。さて私のハガキは確実に郵便局員の手によって僅か50円の切手を貼っただけで埼玉県へ届くことでしょう。
ハガキは「夢やロマンを運ぶ道具」だと思います。書かれた文字は私のようにたとえ下手糞でも、相手に届くと夢や創造が広がりろまんを感じるのです。私はこの20年間多くの方々から夢とロマンをいただきました。これからもそんな効果のあるささやかな実践を続けたいと思っています。
「そりゃ無理だ 愛媛若松 書いただけ 元に戻って 再度挑戦」
「俺も書く 暑中見舞いに 風呂ヌード 涼し過ぎたか 次男ブツブツ」
「こないだも 宛名書かずに 投函し 郵便局から 電話ご注意」
「雨の日も 風の日さえも 休みなく 20年間 続けしハガキ」