○高知県仁淀川町ルポ④ 学び
最後の訪問地はやはり橋でした。仁淀川町には歴史的建造物、いわば近代化遺産といわれる橋が2つありました。一つは珍しいアーチ型の沈下橋です。私も四万十川周辺で幾つもの沈下橋を見てきましたが、規模は小さいものの珍しい形です。自然の石を橋脚に生かした橋はコンクリートながら幾度もの水害に沈みながらも丸みを帯びて自然に近い形に収まっているのです。
そして下流に目をやると川の中には大きな石の塊がゴロゴロと無造作に並んでいました。
一方少し下流に下るとレンガ造りの橋脚とその後補強した橋脚が並ぶ橋を見ました。ここが旧吾川村の中心で今も仁淀川町の中心と鳴っています。この橋は代替橋がその横にあって、この橋の上では日曜市のような場所として賑わいをなしていましたが、今はその面影程度のようでした。
さていよいよ長かった町内視察も終りいよいよ本題の講演会です。昼間の集会にもかかわらず沢山の方々が中公民館3階ホールに集まっていました。話のテーマは地域資源を活かしたまちづくりですが、私の町と同じようにここも中山間地域の厳しい現実の中でのまちづくり、結局は知恵を出し行動を起していかない限り地域の発展は望めないということです。そのためには負け組みというあきらめ意識を捨て、町にも自分にも潜在能力があると信じることです。そしてまず学びから始めることです。田舎の悲劇は学ばないことです。学べば気付き、何が問題で何をすればいいかが分ってくるのです。合併によって生まれた仁淀川町を愛し、町をいい方向に導く努力なしにいい町はないのです。さあ今日から学びましょう。長者のイチョウの樹が教えてくれました。結局は行き着くところ人であることを・・・・・。
追伸
旧仁淀村の旅館で交流会をしました。今までの視察でも講演会でも話せなかったことをみんなで話しました。嬉しいことに若い人も集まりました。途中から高知大学の坂本先生も加わり、次の希望が見えてくるような話がどんどん出ました。また私がその日のうちに帰って書いた教育長さんを紹介したブログ記事に隣町久万高原町の渡辺さんからメッセージもいただきました。偶然でしょうが大分県の渡辺さんとも電話で仁淀川町のことを話しました。二人の渡辺さんを次は案内したいものです。
高知県にはよく似た川に四万十川があります。残念ながら仁淀川沿線の人たちは、四万十川沿線の人より一歩も二歩も遅れています。十年後の仁淀川が四万十川にはもう既に取り組みとなって成果を出しています。遅れていることは目標があることですから何も心配することも卑下することもありません。気が付いたときに気が付いたことを、気が付いた人がやるのがまちづくりです。今回の学集会で一番にいい学びをしたのはひょっとして担当した西森さんではなかったのかなと内心思って、仁淀川町のルポの筆を置きます。
「いい人に 会って色々 教えられ 俺も育った あなたも育つ」
「偶然か 渡辺ふたり 海と山 音信通じ 仁淀川発」
「若い子が 俺の撒き餌に 食いついた さてどうするか 町の外向き」
「まちづくり ガラスコップの 共磨き 外を磨くは 外の日となり」
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先日、仁淀川町でのご講演を聴かせていただきました。
お話に引き込まれ、多くの気づきをいただきました。
ありがとうございました。