○古い看板も役に立つ
車で遠出する時は車のメーターをゼロにして出発するのですが、今回の九州熊本県天草への旅は近年にない1000キロの長い長い旅となりました。更に追い討ちをかけるように昨日は岡山県津山というこれまた中国山地の山深い所へ瀬戸大橋を渡って走ったものですから往復600キロ、合計すると2回の旅で1600キロも走る驚異的な旅となりました。この2回は場所も遠く最初は公共交通機関を使う計画でしたが、天草は腰の具合、津山はJR津山線が落石で長期の不通とあって、結局は車の旅を選んでしまいました。
昨日は雨後の天気に恵まれ温かく、暖冬の影響でしょうかもうあの山や峠を越したら鳥取という山深い中国山地の山々は例年なら白い雪を被っているのに、落葉樹の木々が何処までも広がる冬景色でした。
高速道路のサービスエリアで一服し中国・四国エリアの地図を手に入れ、カーナビを相手に走るのですが、私のカーナビ情報が古いこともあって、日々更新している地図上の市町村名とは合致しない分注意をしながら走りました。知らない道を走ると合併によって「えっこんな名前の市町村あったっけ」などと首をかしげるような場面にも時々出くわし、結構楽しいものです。
私のカーナビは前述のように情報が古いのですが、かえってその方が私にとっては古いものと新しいものを比較できて便利ですし、地域の人々に道を聞いても意外と旧市町村名で答える人が多いので助かります。
それにしてもあちこちの合併した市町村では、その対応が追いつかないのか、それとも気付いていないのか、気付いていても予算がないのか、町内にある看板の大部分がまだそのままで、アンバランスな感じがしました。中には国道の市町村名を示す看板などは旧市町村名の名前の看板をそのまま使い、いい訳程度に「旧」という小さな文字を看板の市町村名につけて代用しているものも随分見られるようです。折角作って長年利用してきた愛着ある看板ですから勿体ないので、私的にはこの看板をこれからも長く使ってほしいと願っています。古い看板も見方によっては結構役に立つものなのです。
しかし、これらの看板類の中には再利用のためペンキを塗って無理やりリニュアールした不自然なものや、美観を損ねるようなものまであって、何となく看板王国日本の醜い部分が見え隠れし始めました。合併を機にこの際看板を地図上に落とし、景観行政という観点から無駄な看板を一掃するような大胆見直しが必要なのかも知れません。
いつの頃からか日本全国のあちこちでは看板に混じって安上がりなのぼり類がいっぱい立って、これも町の美観を損なう大きな原因となっています。道の駅ののぼりもパチンコ屋の「新台入れ替え」などののぼりも、これほどあっては風雨に晒され汚いのです。
誰かが提案し、行政と住民が話し合って、このような身近な所から警官を考えて行動に移すことも地域づくりなのです。
「そういえば 昔の名前で 出ています 町の名前を 示す看板」
「旧と新 混合したまま 同居する 日本の十八番 曖昧模糊だ」
「そこここに 雨に打たれて 幟立つ 客引くつもりが 客は遠のく」
「旧看板 今ではその名 懐かしく 見上げつつつも 道を急ぎぬ」