○私を覚えていますか
ある日突然メールが入り、「私を覚えていますか」と書き込まれていました。Mさんと名前を書いているのですが、あのMさんかな?、いやあのMさんかも?、いやいや先日会ったあの人かもと名前と顔を想像するのですが、賞味期限の切れた私の頭ではついに思い出せませんでした。仕方がないので知っているようなかぶりをしてメールを送り「またお会いしましょう」とメールを送り返しました。ところが昨日その方から写真入のメールに添えて私の話を3度も聞いたと、私の話の内容の一部を書き込んでくれていました。嬉しいですね。このメールのお陰で「あああの人」と思い出し、思い出せなかった侘びと真情を吐露しながら再びメールを送りました。このように人を覚えることは容易ではありません。特に私のように毎日毎日不特定多数の方とお会いしていると、失礼ながらその人の顔と名前が一致して思い出せないのです。それでも町を歩いていたりデパートへ行った時などに唐突に声を掛けられたり会釈したりされると、同伴の妻が「お父さん、あの人何処の誰」と聞きますから、「何処の誰さん」と答えると、「お父さんは感心じゃねえ。よく人の名前を覚えてる」と褒めてくれるのです。
人の名前を覚えるのにはコツがあります。その人の身体的特徴もさることながら、名前と顔を合体させ自分流の暗号のようなもので覚えます。例えば「若松さん」は「目出度目出度の若松様」とか、「高知さん」だと南国土佐の高知さん」などと意味不明の自己流で暗示し、20回以上その人の名前を口に出して復唱し覚えます。
メールの相手Mさんのように、3回会っても覚えていないのは相手にも責任があります。みんなと同じ集団行動をしていると余程の特徴がないと相手にPRできません。ですから自分の売り込みをしなければなりません。「そこまでして覚えてもらわなくても」と思われるかも知れませんが、覚えてもらうといいことがいっぱいあります。Mさん、期待してください。
私の前には毎日毎日多くの人が現われ多くの人が現われ消えて行きます。私の机の上には頂いた名刺も山のように積まれています。こうして留めもなく人の交流は続くのですが、一回会っても100回会ったような顔の人もいれば、100回会っても一回しか会ったような顔のできない人もいます。これが縁の不思議なのです。「若松進一に覚えてもらったところで何になる」と開き直られる人は、私に名刺を渡したり私に声を掛けないで下さい(笑い)なーんて開き直っています。
「覚えてる唐突メールに戸惑ってお茶を濁すが直ぐにバレバレ」
「重要度ハガキメールを使い分け縁糸たぐる憎い付き合い」
「流行ったな私はだーれここは何処自分忘れて人の名覚え」
「人間は忘れる動物そう思や俺の記憶も人並みくらい」