○お父さん元気ですか 先ほど雪の北海道へ旅に出た妻から電話が入ってきました。「お父さん元気ですか」、電話を取るなりの開口一番の言葉でした。「お前の夫であってもお前のお父さんではない」と冷やかし半分に答えましたが、やはり旅先でも私とじいちゃんと息子のことは気になるらしく、やれ「食事は何を食べたか、風呂は沸かしたか、ゴミは水曜日だから出すように」とか、「そんなに気になるんだったらいっそのこと旅行なんかに行くな」といってやりたいほどの気遣いです。息子とじいちゃんは炊事や洗濯が出来るのですが、私は忙しさにかまけて何にもしないから気になるのでしょう。ちょっぴりうるさく、ちょっぴり嬉しい電話でした。 妻の電話を取りながら、ふと自分が旅先でかける電話のことを思い出しました。私は妻のように長電話はしません。まさに「一筆啓上火の用心おせん泣かすな馬肥やせ」の類の最も短い電話ではないかと思うのです。「そちらの天気はどうか、明日は○○ころ帰る。夕食は帰ってから食べる」くらいで、妻が「今何処、今日は何をしたの」何て聞こうものなら、今は手が離せないので切る」で終わりなのです。 携帯電話の普及で出張先で「いくら電話してもかからない」なんてことはなくなりましたが、電話が人間について歩くのですから逃げ場がないのです。 それにしても不思議なもので、妻は温かいといわれる四国から雪の北海道へ、夫の私は明日から桜咲く南の沖縄というのですから、性格の不一致もいいところです。妻は職場や仲間、家族、近所のため例によって今回も手に持てないほどのお土産を買ってくることでしょう。方や私は気軽・身軽の旅ですから普通一つのカバンがふたつになったくらいの変化です。一週間前沖縄へ行って下準備も出来ているので、迷うこともなくホテルや研修会場に着くことでしょう。今晩の天気予報によると明日は全国的に好天に恵まれて春の陽気になるそうです。勿論北へ旅に出た妻の方も、こちらのぐずついた天気とは対照的に好天だと、さも自分が天気女のような言い方を電話でして来ました。 今日は就学前の人権集会に出かけたり、執筆の依頼原稿をメールで送ったり、また大学の非常勤講師として学生の評点表を作成して送ったりと忙しい一日となりました。原稿の締め切りが近づいた原稿がまだ3件残っていますが、とりあえず今日はこれにて一件落着です。鬼の霍乱とでも行きましょうか。 「鬼は外福は内なる妻の留守そんな気分は既に終わった」 「元気かと留守を気遣う長電話旅など行くなと言ってやりたい」 「一人でも妻がいないと家の中ガランと広く静けさ 感じる」 「たまに見る雪は綺麗であるけれど雪の重さは今年格別」