shin-1さんの日記

○商店街がなくなる日

 私たちの町もそうですが、全国のどのまちの商店街も「シャッター通り」といわれるように、斜陽化の道をつき進んでいます。私たちの町の商店はシャッターなどのような気の効いたものはありませんから、さじずめ板戸かガラス戸といった所でしょう。それにしても車社会に乗り遅れた結末は哀れなものです。商店は便利さや安さを求めてやって来るお客を見越してどんどん郊外に移転し、そこに新たな商業施設やショッピングセンター、大型点が出店するものですから、まるで砂漠の中にあるラスベガスのような雰囲気です。

 どの街の商店街も何とかしようと知恵と汗を搾り果敢にかつての賑わいを取り戻そうと頑張っては見るのですが、残念ながら僅かの事例を除いて再生不能になっているようです。

 私の町の事例もそうです。町内には小さいながら2つの商店街があって、昭和時代は商工会内部に商店連盟などを持ってスタンプ事業などを行っていました。しかし商店主の高齢化と前述の社会の荒波になすすべもなく、今は町内での買い物とてままならないのです。

 そこで登場したのが「動く商店」ともいうべき車での販売です。町内の人ではないのですが、これをビジネスチャンスだと思ったのでしょうか、ワゴン車にありとあらゆる雑貨や食料品を山ほど積んで、集落を定期的に回っているのです。車に乗れない高齢者の多い山里では、このワゴン車が大もてで次に来る日には前回注文したものまで運ぶサービスぶりで、今やみんなの重要な生活物資供給源となっているのです。

 出張販売はこれだけではありません。お酒も安売りのリカーショップが町外からやって来て注文を受けたり、その配達をしてくれるものですから、安い便利が定着して「余分なアルコールを飲んでしまうと苦笑いしているのです。

 困ったのは地元の酒屋さんです。ビール1箱に千円も違う格差ではどうあがいても勝負は見えていて、酒が売れないとぼやいています。

 こおように、日本の商店街はあと10年、いやあと5年もすれば確実に潰れてしまう危険性をはらんでいるようです。日本の何かが狂いつつあるようで寂しい限りです。そんな中今年は灯油が高いので、自衛策として隣の町へ行ったついでに灯油を買って帰る人が増えたとガソリンスタンドは嘆いています。灯油は自宅まで配達してくれる便利さはあるのですが、価格の面では隣の町の灯油には価格の面で適わず、4缶と5缶が一緒の値段だと当然そちらを撰ぶでしょう。車に乗る人の自衛策も始まってここにも価格破壊の波が押し寄せてきています。

  「わが息子ポリ缶積んで帰り来る差額ちゃっかり懐温め」

  「酒止めて酒代いらなくなったけど酒の金額気になりビックリ」

  「今日休み思うくらいにしんとして人も通らぬ商店さびし」

  「結局は売れぬ買わぬ揃わぬで便利安いに人は流れる」

[ この記事をシェアする ]

“shin-1さんの日記” への1件の返信

コメントは受け付けていません。