shin-1さんの日記

投稿者: | 2007年1月4日

○三つのリンゴ

 私は毎朝リンゴとキャベツをもう二十年も朝食に食べているリンキャベ派です。リンゴとキャベツにどのような栄養素があるのか深く研究しているわけではありませんが、妻も私に見習って毎朝食べていて、それがよいのか殆ど病気もすることなく元気に働いていますから、これからも続けようと思っています。

 ところで今朝はまちづくりにつながる三つのリンゴの話です。まず一つは「ニュートンのリンゴ」です。ニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て万有引力の法則を発見しました。私たちは日々の暮しの中で当たり前と思っていることがいっぱいあります。でも自分が一歩外に出た時、その当たり前が実は当たり前でないことに気付くのです。私の町のサイレンも一つの事例です。まちづくりが始まるまではあのけたたましい災害用のサイレンでした。子どもの頃からなっているサイレンですから何の疑いも持たずに暮らしてきました。ところが色々な町に行くようになってミュージックサイレンを聞くようになると、その音がまるで雑音にしか聞こえなくなったのです。「慣れると怖いなあ」と思ったし、この「雑音サイレンをミュージックサイレンにしたらさぞや快適だろうなあ」とも思いました。しかし気がついてもそれを変えるだけの勇気と行動がありませんでした。幸い私はまちづくりへの参加参画を促すセクションに異動したのを機にみんなにその話を持ちかけ、ついには無線放送で夕日の町に相応しい現在の「夕焼け小焼け」の音楽に変えたのです。町のイメージは音という世界で一変しました。これはニュートンの「発見」というよりは「再発見」かもしれません。でも身の回りにあるものでも「再発見」すれば価値があるものは随分あるのです。

 二つ目は「アダムとイヴのリンゴ」です。このリンゴは禁断の実ですから毒があるということをみんな知っています。だから百人が百人手を出さないのです。私が出会った夕日はまさに禁断の実であったように思うのです。「双海の夕日が美しいから地域資源にしてまちづくりをしたらどうか」という私の提案に、「夕日なんて日本中、世界中何処にでもある」とみんなが口をそろえて反対しました。私はみんなが反対するから成功すると思い「夕やけプラットホームコンサート」を思いつき実行しました。かなり激しい足引張りにも耐えながら20年間、様々な夕日夕焼け物語を作る努力をした結果現在の夕日の日本で一番美しいオンリーワンの町になったのです。皆が賛成するようなもの全てがいいものとは限りません。賛成しないリスクを乗り越え初めて甘い果実に行き当たるのだと思うのです。私の町はかつて「町名変更」という町を二分するような大騒動を経験した町です。町外の人から見れば町の騒動は恥ずかしいことに見えますが、実はこの「町名変更」騒動で培った町を二分する大議論が「反対意見も賛成意見もお互いが言い合う土壌が育っていたのです。リンゴに毒があっても抵抗があっても挑戦していく、アダムとイヴのリンゴは「挑戦」し続ける教えです。

 三つ目は「ウイリアム・テルのリンゴ」です。人間の頭の上に乗せたリンゴを弓矢で射抜くことなんか普通の人では出来っこありません。ですからそんな場面に出くわしたらみんな目をそむけ誰もやろうとはしないのです。人間は何気なく生きているようでもそれなりに目的を持って生きているものです。昨日まで正月でした。殆どの人が神社やお寺に初詣に出かけ、あるいは自分の家の神棚にお光をあげて今年一年の願い事を神に祈ったはずです。これはある意味個々人の目的であります。今年こそは日記をつけよう、タバコを止めようなんてささやかな目標を立てるのですが、一週間、一ヶ月するとその目標は計画倒れに終わってしまうものです。人間の心の弱さは万事こんなものです。

 私は夢を食べる人間のようで、シーサイド公園に「童謡の小路」を作る計画を考えました。しかしお金がありません。シーサイドのあちこちに童謡の歌碑を数箇所設置する構想には250万円ものお金が必要でした。でもその夢に投資をしてくれる郷土出身の篤志家がいて実現したのです。童謡の小路はささやかで小さな目的でした。でも頭の上に乗せたリンゴという「目的」を射抜くためにはしっかりとそれを見据えなければなりません。そうすれば無理だと思ったリンゴを貫通することができるのです。

 「ニュートンのリンゴ」も「アダムとイヴのリンゴ」も「ウイリアム・テルのリンゴ」も一つだけでは上手く行きません。まちづくりには三つのリンゴが必要なのだと思ういます。

  「ニュートンは リンゴ落ちるで 引力を 私は何を 発見するのか」

  「アダム・イヴ リンゴ食うなと いう教え 敢えて食うのも 挑戦ですよ」

  「ウイリアム テルはリンゴを 矢で射抜く 目的持てば 実現するもの」

  「なるほどと 三つのリンゴ 理解する 見る食う射抜く 力量必要」 

 

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