〇猫に小判の展示品
シーサイド公園の中庭にモアイ像3体とともに、一隻の丸木舟が展示されています。いずれも夕日のミュージアムを造る時、私がイメージを膨らませてアイデアを出し、モアイ像は石の産地香川県安治の若手石材グループに金がないから安くと懇願して造ってもらいました。三体のモアイ像は一番北寄りに沈む夏至の日、真西に沈む春分秋分の日、一番西寄りに沈む冬至の日をそれぞれが向いて建っている夕日の守り神です。
丸木舟は双海町東峰遺跡から出土した3万年前の土器とともに見つかった矢じりが、大分県姫島産黒曜石であったことから、古代人がどのようにして黒曜石を運んだのか立証するため、丸木舟の建造を思いつき、実際に瀬戸内海を航海したものです。今ではダッシュ島として有名になっている由利島まで航海した後、国立大洲青少年交流の家に展示していたものをシーサイド公園まで持ち帰り、親父に頼んで屋根を付け屋外に展示しているのです。
その時親父に頼んで2隻の丸木舟模型を作りました。一隻はわが家の海の資料館海舟館に展示していますが、もう一隻は夕日のミュージアムの中に展示していました。その後展示を終えた模型は倉庫の片隅に埃を被って忘れ去られようとしていますが、親父に懇願して作ってもらったものだけに、何とか保存したいと思い関係者に打診したところ、元々個人の持ち物の借与だし、何の未練もないようなので引き取ることにしました。
昨日はシーサイド公園で外国人との懇談があって出かけた折、倉庫に入って少し重い展示ケースごと引き出しました。埃を被っていましたが埃を雑巾で拭くと、まだ何とか展示に耐えれるようなので、近々知人友人数人にお願して、トラックで持ち出し移動しようと思っています。こうした古い展示品も興味のない人にとっては、「猫に小判」といったところです。まあ一時代が終ったと思えば腹も立たず、親父の亡くなった明くる年に里帰りする訳ですから、むしろ喜ぶべき出来事とポジティブに捕らえています。
「一時代 終った感の 展示品 親父の遺品 思えば思える」
「展示品 遺跡出土の 矢じりなど 大分姫島 黒曜ロマン」
「展示品 埃拭えば まだまだと 言ってるようだ 近々移動」
「展示品 心なければ 猫小判 ただのガラクタ ゴキブリさえも」