〇大根の首切り
冬は大根の美味しい季節です。わが家では家庭菜園で青首大根と聖護院大根を作っていますが、今年は聖護院大根は発芽したものの、害虫に食われて全滅したため、青首大根のみとなり、その青首大根も春の訪れとともに、いよいよ終わりに近づいてきたようです。もう少し大根を長く楽しむ手立てとして、毎年この時期になるとわが家では、大根の首切りをやります。
「首切り」とは何とも物騒な表現ですが、このまま葉っぱを残しておくと大根は、種保存の原則で花を咲かせて種を結ぶのです。花を咲かせるために大根は根の部分の養分を使うため、花を咲かせると大根は筋だけ残り食用にならなくなってしまうのです。そのため葉っぱが養分を吸われないよう葉っぱの付け根から切り落としてしまいます。こうすればこれから約1ヶ月間は大根を楽しむことができるのです。
来月初旬の日曜日には菜の花ウォークが開かれます。閏住の菜の花畑の直ぐ近くに「くじら」というお店を、私の妹が開いていますが、毎年菜の花ウォークには大きな鍋でおでんを炊いて販売して好評を得ていますが、その具材にわが家の大根を提供しています。今年も頼まれているので、首を切らなければならず、今朝はウォーキングから帰って直ぐに畑に入り、片っ端から首を切り落しました。
首を切られた大根畑は殺風景でどこか寒々としていますが、これも春待ち、冬名残りの風情です。先人は偉いもので、こうした生活の知恵をしっかりと持って生きてきたのです。わが家は上灘川に沿った谷筋にあるため、冬は太陽が殆ど当たりませんが、春分の日を迎えるこの時期になると、裏山の端の方から太陽が覗き始め、春が近づいたことを実感するのです。今年の冬は寒さ一入で、春が来るのが待ちどうしいこの頃です。
「春間近か 青首大根 首を切る これも大事な 春待ち仕事」
「首を切る 縁起が悪い 呼び名だが こうしておけば まだまだ楽しめ」
「大根は なくてはならない 冬食材 あれやこれやと 調理して食べ」
「太陽が やっと畑に 射すように なって季節の 動くを知りて」