人間牧場

○せいよ再発見地域づくりグランプリ講演会・パネルディスカッション(その2)

 講演会の講師は地元学の第一人者吉本哲郎さんでした。吉本さんは熊本県水俣市役所に勤務され、在職中から国土庁地域振興アドバイザーや熊本大学非常勤講師などをされていましたが、2008年に退職してからも精力的に活動しているようです。
 私と同じような経歴を辿り、私と同じような活動をしていますが、私が地域づくり研究会議の代表運営委員をしていた頃、年次フォーラムに招いた折知り合い、その後出会いは殆んどないものの、お互いがお互いの存在や活動を認め合う数少ない心を許しあえる仲間のひとりなのです。

 地元学ネットワーク主宰という肩書きを持つ吉本さんは、水俣病とう過去の忌まわしい事実を受け入れた上で、水俣市を生まれ変わらせようと頑張った人です。この日はスライドを使い、分かりやすく参加者に語りかけるような彼独特の語り口で、講演というよりは議論のように約一時間話をされました。スライドにちりばめられた写真や言葉一つ一つに重みがあって、私も久しぶりにいい勉強をさせてもらいました。お土産に全紙大の大きな資料をいただきましたが、地域づくり応援隊の富田さんや支所の松本さんに差し上げたいと思っています。

土俵上でのパネルディスカッション

 

 講演が終わると土俵上でパネルディスカッションが始まりました。大相撲呼び出しに扮した乙亥会館の富本武夫館長さんの先導を受け木の音と共に入場し、土俵の上に設えられた力士用座布団に座っての討論です。ファシリテーターは前田審査委員にお願いしていたので、言われるまま私、門田さん、吉本さん、三好市長さんの順でそれぞれのテーマに沿って、ショートコメントのお話をさせてもらいました。
 こんな立派な土俵に上がることすら滅多にないのに、土俵の上に座って議論する粋な計らいは冥利に尽きる感じがしました。

 私は親類の従兄弟の葬儀が13時30分から伊予市ルミエールであるため、用意していただいた昼食も食べず、野村から内子まで出て、内子から伊予まで高速道路を走り、10分前にルミエールに着くという忙しい離れ業で、何とか故人や親類への面目を保つことが出来ました。「お父さんそんなことしていたら、親の死に目にも会えん」と妻を呆れさせましたが、世の中は前向きに生きていれば何とかなると、思った次第です。吉本さんが別れ際、「あんたも若くないのだから、体にはくれぐれも気をつけてね」と、握手しながらいたわりの言葉をかけてもらいました。吉本さんとは同じくらいの年齢とお見受けしましたが、私も人から見れば吉本さんのように、少し老けた(吉本さんには失礼)感じに見えるのでしょうか?。いや私は若松といわれるようにまだ若い!とも思いました。

  「久方に 出会った友と 旧交を 温めながら 若い日語る」

  「朴訥と した口調にて 淡々と 語る講演 何ともほのぼの」

  「土俵上 力士座布団 座りつつ パネル討議に 花を咲かせる」

  「鼻水が 出るほど寒い 会場で 思いを語る 熱気ムンムン」  

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人間牧場

○せいよ再発見地域づくりグランプリ(その1)

 3年前西予市より、「せいよ再発見地域づくりグランプリ」というコンテストの審査委員を、愛媛新聞の門田さん、邑都計画研究所の前田さんと私の3人で引き受けました。平成21年度は「祭り」、平成22年度は「食」、平成23年度は「地域づくり活動」とテーマを変えながら、市内の団体や個人から応募のあった事例について審査を行なってきました。
 過去2年間の実績を踏まえ、今年度は応募24団体の中から第一次審査で選ばれた11団体に集まってもらい、昨年末12月14日にそれぞれの団体の代表者からプレゼンテーションを聞き、それぞれの団体の代表者も審査に参加する新しい方法で2次審査を行ないました。その結果グランプリ1団体、準グランプリ2団体、審査員特別賞3団体の計6団体が選ばれました。

 一昨日その表彰式と記念の講演会、それにパネルディスカッションが西予市乙亥会館で行なわれました。8時30分までに会場入りしなければならないため、家を朝早い7時前に出て、双海~中山~内子~肱川~野村を通って、ほぼ予定通り乙亥会館へ到着しました、乙亥会館は昨年11月に開かれた乙亥大相撲を松本小番頭さんと二人で見学に行き、大相撲横綱白鵬や大関琴欧州などを見た馴染みの場所なので迷うこともなく一発でした。この日の野村盆地は放射冷却現象による白い霜が降り注ぐ寒い朝でした。東京の両国国技館を模して造ったという乙亥会館は、天井が高い体育館のような造りをしているし、あいにく暖房が故障というアクシデントに見舞われ、まるで冷蔵庫の中のような寒さでしたが、向う正面の座席を使った会場設営からあふれた参加者が隣の席に陣取るほど沢山集まって、まるで大相撲のような盛り上がりでした。

せいよ地域づくりグランプリ表彰式

 

 表彰式は審査委員長を務めた私がマイクで、審査員特別賞の「卯のほたる実行委員会」、「エコグループたんぽぽ」、「ごるぽっこ」の順に受賞団体を発表し、吊天井の下にある土俵の上で、まるで大相撲の表彰さながらに、市長さんから表彰状が手渡されました。ついで準グランプリの「筝・絹の会」「宇和わらぐろの会」が表彰され、いよいよグランプリ受賞団体の発表となり、「川津南やっちみる会」が晴れのグランプリを受賞し、賞金10万円を獲得しました。
 ついで「川津南やっちみる会」の戎さんが土俵の上に立って、日ごろの活動をスライドで紹介しながら弁舌巧みに発表しましたが、審査の時のプレゼンテーションといい今回の発表といい、とても素人とは思えないほど堂々として、皆さんの受賞納得となったようです。

 その後私も審査委員長として土俵に上がり、審査の経過や受賞団体の特徴、今後の活動への注文等を、与えられた15分ばかりの時間かいつまんでお話をさせてもらいました。「西予市は宇和町、野村町、城川町、三瓶町の5町が合併して8年前に誕生しました。海抜ゼロメートルの海岸から標高1400メートルの高知県境にまたがる、広くて高低差の大きい町となりました。それぞれの旧町の個性ある特徴はそのまま合併後の西予市に引き継がれていますが、せいよ再発見地域づくりグランプリ事業を通して見えてきた。輝きの部分は県内はもとより全国的に見ても素晴らしい誇りであり、大いに発展伸張させなければなりません。それと同時に見えてきた高齢化や少子化、限界集落等の影の部分も意識しながら、住民の自立に向けた協働と参画のまちづくりを力強く進めて欲しいと願っています。
 西予市が名乗りを上げているジオパーク構想も期待の持てる将来への構想であり、是非実現して欲しいと願いつつ、簡単ですが講評に変えたい思います。三年間お世話になり、ありがとうございました。」と締めくくりました。

  「三年間 審査のために 西予市へ バランス取れた いいまちですね」

  「合併後 着々成果 出している 首長リード お見事見事」

  「グランプリ 取った川津の 南地区 やっちみる会 自信溢れて」

  「嘆くより やるべきことを しっかりと やれば成果は ついてくるもの」   

 

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