○ドゥーユーアンダースタンド
英語を話せない私に、もう亡くなった中学校の教師が中学校一年の時、「Do you under stand」と英語で問いかけてきました。私はその意味も分からぬまま「yes」と答えました。質問は「あなたは理解しましたか」「分かりましたか」でしたが、意味も分からぬまま「yes」と答えてしまった私の心を見抜いた先生は、みんなの前で面白い話をしてくれました。『「under」は下、「stand」は立つです。人の上に立つことも大事だが、人の下に立つような謙虚な人間になりなさい』と話されたのです。
以来その意味も余り分からぬまま、役場に勤めた35年間の10年余りを地域振興課長として、また2年間を教育長や中央公民館長として、小さいながらも人の上に立ってきました。しかし日本で一番小さい課の課長と自慢していた課長以外部下のいない地域振興課長は、人の上に立つどころか立ちようのない状況でした。21世紀えひめニューフロンティがグループの代表や、えひめ地域づくり研究会議の代表運営委員なども20年近くもやりましたが、これも上に立つほどのものではありませんでした。
そういう役職を終えた今しみじみ思うのは、英語の先生の言った言葉の意味でした。上に立てば立つほど下に立つような気持ちを持って人に接すると案外人間関係は上手くいくものです。お陰様で退職後も現職時代の人間関係を保つことが出来、知人友人と楽しい活動は私の退職後の人生を、より楽しく充実したものにしているのです。
「人の下に立つ」、これは言葉では理解できても後輩や同僚との関係になると中々出来ないものです。過去の上下関係や役職のプライドが頭を持ち上げ、ついつい横柄な言動になってしまいます。要は「人間役職取ったらただの人なのですから、今からでも遅くないのですから「人の下に立つ」ような心配りで生きて行けば、人生はもっともっと楽しくなるはずです。
「人の下 立つ謙虚さを 持ったなら どんなに気楽 生きれるだろう」
「自分では 偉い人間 思っても 値打ち決めるは やはり人です」
「今頃に なって気がつく 馬鹿の知恵 アンダースタンド 立派な教え」
「いい事は 今からだって 遅くない 六十手習い 七十実践」