○地域マネジメントスキル習得講座が始まりました
愛媛大学農学部の新しい試みである「地域マネジメントスキル習得講座」がいよいよ始まりました。この講座は過疎化や高齢化、後継者不足が進み、崩壊しつつある愛媛県をはじめとした中四国の農山漁村地域の再生のため、社会人の学び直し講座として開設し、「地域居住哲学」「地域資源管理能力」「地域活性化・新産業創出能力」「農林漁業の経営分析・設計能力」を身につけた人材を育成して、活力ある農山漁村を再生するための講座で、愛媛大学が継続的に支え、地域再生のために貢献することを目的にしています。
予想をはるかに超える応募者の中から35人が選ばれ、この日は松山~今治間を走る317号水が峠付近にある農学部学有林研修施設で行われました。8時30分に集合し9時から午前中は学習のためのオリエンテーションを行いました。
泉副学長、鶴見コース長教授と担当の小田準教授がそれぞれレクチャーをして始まりましたが、特に前年度まで農学部長であった泉副学長の話は大学が今後何を目指すのかといった奥深い話でとても参考になりました。
(泉副学長)
私と同じく観光カリスマ百選に選ばれている森賀客員教授は、元新居浜市役所の職員ですが、特に産業振興などに造詣が深く、愛媛新聞四季録などにも毎週月曜日含蓄のある文章を書かれていて尊敬している一人ですが、森賀先生はこの日ポートフォリオの作成について話されました。
ポートフォリオとは聞き慣れない言葉ですが、自分の意志で、自分の未来に活かす意図で、自分が手に入れた情報や自分が生み出した成果やプロセスを自分で一元化したファイルです。
ポートフォリオを見るとテストなどでは評価できない能力や個性、潜在的な力や考えの変化、成長を見出すことができるのです。このようなポートフォリオを活かす評価をポートフォリオ評価というそうです。
森賀先生は未来教育プロジェクト鈴木敏江さんの資料を引用してポートフォリオの役立ちを次の4つに要約して話されました。
(中四国地域から集まった研修生)
①学習、研究、体験、実習などの目標や成果や評価を明確にする
②成果だけでなくプロセス重視の自己評価・他者評価・相互評価
③その人の個性や考え方が見い出せ、個性発見や進路検討に活きる
④自己紹介や面接などに活き、学歴や成績重視でない採用面接や人事評価に活きる
昨日はあいにくの雨模様でしたが、午後からは炭焼きなどの実習が予定され一泊二日の研修が行われました。私はあいにく高松市三谷地区での研修会に招かれていたので昼食後お暇しましたが、遠くは広島県尾道や福山からの受講生もいて、並々ならぬ決意で臨まれていることがよく分かりました。私の集中講義は8月22日と23日の両日、人間牧場でやることが決まっています。月に一回の厳しい研修ですが、その成果を期待したいと思います。
「学ぶため はるばる遠く 来た人の 語る決意に 心引き締め」
「何ですか 学のない俺 首横に ポートフォリオ 意味が分からず」
「学ぶ人 逆に私が 学ぶ人 学ばなければ 教えもできず」
「そろい踏み 異色の人の 講師陣 期待大きい しっかりせねば」