○早堀りのジャガイモは美味しい
昨日はJA女性部から子縁の講演の手土産にと農協らしいジャガイモをお土産に貰いました。また宇和島遊子でジャガイモを栽培している本家本元の藤田光弘さんからも貰いました。家に帰るなり妻は、「まあ珍しいものをいただき嬉しい」と、主婦らしい喜びようで、「早速今晩はジャガイモを食べたい」と注文を付けました。しかし私が帰った夕方5時には既に夕食の献立は決まっていて、料理も終わっていたのです。それでも何としても食べたかったものですから、大きめのジャガイモを2個塩茹でにしてもらいました。
茹でたばかりのジャガイモは、皮がプリンと剥けて湯気が出てほのかな香りを漂わせていました。真っ二つに割ってそこへバターをひとかけら落すともうたまらないほど美味しいのです。熱々のジャガイモを妻と二人で2個ぺろりと平らげました。お陰さまで昨日は食べ過ぎるほどの夕食でした。
宇和島の水ヶ浦は段々畑がご存じ自然景観として文化庁の登録を受けていますが、同じ愛媛県なのにもうジャガイモが採れるのです。察するに宇和海に面したこの地方は黒潮の恵とでもいうのでしょうか、無霜地帯で冬の気温が温かいのです。加えて段々畑には3つの太陽があるといわれています。お日さまの直接の光、段々畑の石垣の温もり、それに宇和海の反射光なのですが、やはりこれも自然の恵みというのでしょう。
ジャガイモを植えている段々畑は猫の額ほどの細長い畑が続いています。昔は食糧増産のためにサツマイモが主流でしたが、今はジャガイモも主幹作物として植えられています。ジャガイモは連作に弱い作物だと言われています。石灰などをまいて中和させながら耕作をしても病気にかかる危険性があるのです。藤田さんから聞いた立ち話でもその辺の苦労話を聞きました。
それでも段々畑の目玉として早堀のジャガイモはアピールに欠かせないものであり、ジャガイモの屑芋を使った男爵という焼酎も売り出されてみんな頑張っているようです。
北海道から送られてくるジャガイモも美味しいし、南の宇和島から送られてくる早掘りのジャガイモも飛びきり美味しく、わが家のジャガイモは見劣りしますが、それでももう1ヶ月もすればわが家のジャガイモも玉ねぎとともに収穫を迎えます。今年はジャガイモも玉ねぎも今のところ順調に育っていますが、昨晩の飛びきり強い南西の風で少々傷んだようです。
季節を食べ、旬なものを食べる、これは何よりのご馳走です。私のように肉をあまり食べない人間にとって菜園でできる野菜は飛びきりご馳走なのです。本当は料理もしたいのですが、男子厨房に入るべからずという時代を生きてきた私にとっては、中々手を出す勇気が湧かないのです。「お父さん、私が死んだらどうするの」と妻は二言目には私の厨房進出を促すのですが、さだまさしの「関白宣言」のように、私は妻より早く死ぬことはないと自信を持って生きているのです。
今日は買い求めた新玉ねぎと早掘りジャガイモのコラボレーションで肉じゃがのようで夕食が楽しみです。
「いただいた 早掘りジャガイモ 塩茹でし バター転がし うまいうまいと」
「県内と いうのにこうも 違うとは 一足先に ジャガイモ掘って」
「この芋は 三つの太陽 恵み受け 育った故に 味は抜群」
「おすそ分け 二~三個づつを 小袋に 入れて近所に 貰いものだと」