○散髪屋で男前を上げました?
私は月に一回程度、大体月中の10日くらいに地元の散髪屋へ散髪をしに出かけます。短めの髪型の私は高校を出た頃からずっとこの髪型が気に入って、一度も長髪にしたことがないのです。「人のことなどほおっておいてくれ」と言われそうですが、長く髪を伸ばした男の人を見ると、どこか憂鬱になるのは性分かも知れません。自分の髪が少し伸びたなあと感じるようになると2~3日前から、妻に「そろそろ散髪しないと」とかまを掛けるのですが、答えはいつも「どこを散髪するん?」と言われます。
「今日は散髪に絶対行く」と妻に言って午前中、単車で出かけました。今日は春日和の好天に恵まれ、野山も燃え立ち始め気持ちのいい朝です。合併して4年が経ちますが街中を走るとどこかさびしい感じがしてなりません。散髪屋はご夫婦が苅込はご主人、ひげ剃りや洗髪は奥さんとそれぞれ分担していて、大きな鏡に映った私の頭が次第に整い、男前に仕上がって行くのです。
昔から散髪屋と風呂屋はその町の情報が全て集まるといわれるくらい町中のことがよく分かります。ご主人が開口一番「いい季節になりました」「選挙が近づきましたね」などと話の糸口を見つけてくれました。そういえば明日は市長と市議会議員の告示日のようで、自分には関係ないことなのでうかつに忘れるところでした。聞けば市長さんは無投票の公算が大きいようです。しかし議員は21人の定員に対し22人が立候補する予定でどうやら選挙になるようです。前回は合併ということもあって小選挙区での選挙でした。今回からは全市一区に代わるため、立候補しようとしている人は困惑しながら準備を進めてきたようで、私の家にも何人かの候補者が事前にあいさつに見えられたようです。わが家は私たち夫婦、親父、息子夫婦に次男と6票もある大票田ですから皆さんの当てにするのも無理からぬことです。
(街角に設置された選挙ポスター掲示板。明日はこの掲示板に男前の市長及び議員候補者ポスターが賑やかに貼られることでしょう)
最近わが家のポストには選挙に立候補するある党のちらしが頻繁に入るようになりました。現職の政策実行実績についての意見が殆どですが、それなりに納得したりしながら読んでいます。明日から賑やかな選挙戦が展開され、連呼の声も賑やかになることでしょうが、一週間後には旨にバッチをつける顔ぶれが決まるものと思われます。せめてこれから一週間訴え続ける政策をマニフェストとして謙虚に実行してほしいと思うのです。
散髪をしていると外を何人かの人が通ります。私が若かったころあの人も元気だったと思う人が高齢になり、まるでロボットのような歩き方をしている人が何人も鏡に写りました。その度にご主人とその人の近況を話すのですが、共通したのは「人事ではありませんな。もうすぐ私たちもあの人たちの仲間入りするのですから」と納得する会話を交わしました。
老いは誰にも止めることはできません。子どもの数も少なくなり老いた人の数が気になるこの頃です。その分自分も歳をとったものだと実感しました。
今日は若者たちがシーサイド公園で「オレンジデー」を開く予定になっています。頼もしい若者たちの行動を支援はできませんが、せめて枯れ木も山のにぎわいで参加しようと思っています。散髪して折角男前を上げたのですから見せびらかしたいと思っています。
「月一度 頭すっきり 散髪屋 俺でも少し 男前なる」
「歩く人 昔は若く あったけど 今はロボット 歩きのようだ」
「散髪の 椅子にもたれて うとうとと 何時の間にやら 綺麗さっぱり」
「散髪を しながら噂 耳向ける 知らないことが いっぱいあって」