shin-1さんの日記

○広島から島根へ、そしてまた品根から広島・愛媛へ

 安芸の宮島・平和公園の原爆ドームと世界遺産二つをめぐった私たちは前日の夜、広島へ一泊しました。久しぶりの出会いなので一席交流会を持とうと、広島一の繁華街流川通りへ繰り出しました。

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 夜もふけやらぬ街をみんなで散策して一軒の居酒屋を見つけて入りました。そこで飲み放題のコースを設定しましたが、13人のうち5人までがウーロン茶というお粗末ですから、お店は大分儲けた計算になります。それでもこうしてみんなが集まるのは年に一度の総会と研修旅行だけですからみんな大いに語り合いました。

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 広島の町中も少し不景気風が吹き荒れているようで、土曜日だというのに人の数はそんなに多くないと感じました。飲み会を切り上げてホテルに戻りわが部屋に集まって談笑していましたが、早立ちの旅の疲れなのか、年齢のせいなのかみんな早々に引き揚げて行きました。私は2回のロビーに降りてインターネットに接続しブログを一本書きました。旅先でもホテルによってはパソコンが使えて大助かりです。旅の思いは一瞬ですから書きとどめないと忘れたり感動が薄くなったり、臨場感がなくなってしまうのです。


 あくる朝は7時に昼食を済ませ、7時40分に出発しました。昨日の雨も上がり、天気予報だと知り上がりによくなるそうなので安心して車に乗り込みましたが、中国自動車道や浜田道はところどころ春の霧が視界を遮るほど出ていました。しかしそれも中国山地の峠を越すと晴れて絶好の行楽日和です。

 峠付近はまだ木々の芽吹きもあまり感じられませんでしたが、日本海が近付くにつれて桜の花も7分咲きに代わっていました。今回の旅ではどれほどの桜を見たのか想像もつかないほどの桜を見てきました。

 島根は全市町村を制覇している私の出番で、私がカーナビのように知り得た知識で社内説明を行いました。やがて目的地である大田市の石見銀山の入口にあたる仁摩のサンドミュージアムに到着し、日本一と言われる一年の砂時計を見学しました。普通砂時計は3分、5分ですが、このミュージアムには1年365日の砂時計があるのです。砂時計や砂に凝ったオンリーワンの展示物を皆さんは興味深く見学していました。

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 サンドミュージアムから10分程度で第三の目的地石見銀山に到着しました。私にとってここは2度目ですが、世界遺産に登録されてからは初めてです。ある主興味を持って訪問しました。世界遺産になるとどの地域もまるで大河ドラマのロケ地のように、どっと観光客が押し寄せ、その恩恵を受けるのではないかという期待感があるのです。一方観光客もそれなりの期待感を持って行くものですから期待に外れるとがっかりするのです。多分漏れ聞く石見銀山への期待はどちらも大外れのようです。地元の儲けの目論見は見事に外れました。また訪れた観光客も歩いて散策しなければならないことへのいらだちもあって大いに期待はずれだったようです。

 しかし私のような人間にしてみれば、これこそ世界遺産だと思うのです。観光客にへつらうこともなく、またどこにでもありふれた土産物を売るでもなく自然体での姿にむしろ感動すら覚えました。これはもうブームではないと思いました。これぞまさしく産業遺産なのです。

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 私たちは言われるがまま車を遠い駐車場へ止めて、遊歩道をただひたすら歩きました。途中にはこのような決して立派とは言えない苔むしたお寺や神社がやたらとあって、銀山で栄えた往時をしのばせてくれました。道端にはかつて銀鉱石を手彫りしたであろう間歩といわれる坑口の後があちらこちらにありました。それらは人間は這って歩くほどの狭さが故にその労働がしのばれました。

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 私たちが目指した龍源寺と呼ばれる大きな坑道は、歩けるようしっかりと整備されていましたが、他の地域の遺構のように蝋人形などがあるわけでもなく、余り手が入っていな印象でした。」金や銀といえば価値の目安となるほど重要な価値を持っていました。ゆえに見張りや労役も厳しかったであろうと推察したりしながら、好天に恵まれた長閑な山村の山道をゆっくり往復2時間弱歩いて散策しました。

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 道端にはアオキの真っ赤波が印象的に熟れていました。また歩き終わりの場所には真っ白い今が盛りの花がいっぱい咲いて私たちの歩き疲れを癒してくれました。

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 昨年の熊野古道に続いて今年は欲張って瀬戸内2か所、日本海側1か所の3か所も欲張って世界遺産を見学し、2年間で合計4か所となりました。来年はさてどうするか、皆さんに図ったところ白川郷へ行くことが内定しました。こうして世界遺産を巡る旅を重ねながら歳を重ねていくことも意味があるのかも知れません。

 20年間にわたって青少年の健全というボランティア活動を行ってきましたが、人間牧場での活動を除いて、そろそろ新しい生き方を考える年代に入ってきたことを考えさせるいい旅になったと思いました。


  「四つ目の 遺産訪ねる 旅終わる 次は五つ目 白川郷へ」

  「この地では 登録浮かれる こともなく ただひたすらに 遺産守りて」

  「いい汗を かいたとみんな それぞれに 世界遺産を 感じたようだ」

  「赤い実を つけたアオキや 白い花 山里風情 心洗いて」


 

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shin-1さんの日記

○世界遺産広島原爆ドームを訪ねる

 世界遺産には自然遺産もあれば文化遺産のありますが、広島の原爆ドームはそれらとは一線を画し、人間の愚かさを人間自身に問いかける平和へのメッセージとしての価値としては世界で唯一だと思うのです。対岸のこんな身近な場所にありながら、私たちは平和の上に胡坐をかくように殆ど訪れることもなく過ごしていました。

 広島上空600メートルで原爆がさく裂した1945・8・6・午前8時15分という一瞬は、広島にとっても日本にとっても、いや世界にとっても忘れてはならない一瞬なのです。原爆資料館に展示されている投下された原爆はこんな小さな爆弾でした。しかしこんな小さな原爆が広島を、そして広島市民や国民の一部を焼き殺し、戦後60数年たった今も原爆症の後遺症に苦しむ人たちがいるのです。

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 私は原爆が投下された時、生まれて間もない10ヶ月でした。母親の手に抱かれて、熱い夏の日が始まるであろう下灘の海岸からキノコ雲を見ていたようです。残念ながら幼少ゆえその記憶はありませんが、体教とでもいうのでしょうか、どこか記憶の隅に靄がかかっているような感じがするのです。原爆ドームの上600メートルでこの展示のような火の玉がさく裂したのです。そしてその爆風は鉄やコンクリートまで一瞬にして破壊しました。

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 爆発してから3時間後に爆心地近くで撮影されたという一枚の写真は、体を焼かれた生々しいものでした。そして時間が経つにつれて太田川の近くは何千という死体が浮き、焼けただれた人々は水を求めて川沿いに集まりました。まさにこの世の地獄だったといわれています。

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 原爆は死の雨を降らせました。爆風によって空高く舞い上がった砂塵は放射能を含み、やがて灰色の雨となって地上を濡らしたのです。窓を伝う放射能の雨筋は原爆資料館に残っていました。

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 当時は、原爆投下後75年間は草木も生えないだろうと言われていたのに、そして多くの原爆に遭った人たちがその後遺症に苦しんでいるのに、あくる年の夏焼け跡にカンナの花が芽を出し花を咲かせたそうです。この館菜の花にどれほどの生命が残っていたのでしょう。人々はカンナの花に平和へのメッセージと生きる勇気を貰ったそうです。

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 その後日本は恒久平和を願い、にどとこのような痛ましい戦争を起こしてはならないと世界に向けて広島や長崎からノーモアヒロシマ・ナガサキを訴え続けていますが、ソ連とアメリカの冷戦などは次々と核実験を行い、ビキニ環礁で行われた水爆実験で第五福竜丸が被爆し久保山愛吉さんがその犠牲になった事件は強い衝撃として私の記憶に残っているのです。私は第五福竜丸がマグロはえ縄漁船であったと同じように、宇和島水産高校の実習船えひめ丸に乗ってマグロはえ縄漁に南太平洋へ船出している経験を持っているがゆえに、第五福竜丸のことは忘れられないのです。

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 長い廊下沿いに原爆投下というファインダーを通した過去・現在・未来の展示を見るにつけ深い悲しみと平和への願いが心の底から湧いてくるようでした。

 外に出て平和公園を散策しながら色々なことを話し合いました。

 偶然とでも言うのでしょうか、北朝鮮がテポドンを発射するかも知れないという話題が国内外を走り抜けました。未だに世界中では戦争や愚かな核の脅威にさらされているのです。

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 原爆ドーム対岸の平和公園の隅にチューリップが印象的に咲いていました。朝から降り続いた雨もどうやら上がり、折りヅルの飾れれた子どもの像の上に少しばかり陽が差してきました。どれが鳴らしているのか子どもの像の鐘の音が広島の空に印象的に響いていました。

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  「子どもらの 祈りを込めた 折りヅルに 平和の誓い 今日も届いて」

  「許すまじ 原爆歌う こともなく ただ安穏と 愚かに過ごす」

  「この犠牲 なくば平和は なかったと 心に刻み 生きて行かねば」

  「平和こそ われらが世界 遺産なり 訪ねる旅で 心に刻む」


 

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