○拡大するものと縮小するもの
この20年間のふるさとの移り変わりをざっと振り返ってみると、拡大するものがある反面縮小傾向のものも数多くあります。20年前といえば双海町という自治体がまちづくりに目覚めた頃でした。その頃の双海町はお墓参り以外人の来ない観光とは程遠い町でした。しかし交流のまちづくりを進めた結果シーサイド公園やふれあい公園、それに下灘運動公園の整備によって夕日や花をモチーフに、県下でも屈指の観光地に生まれ変わり、年間55万人もの人が訪れるように拡大しました。また昨年の合併によって行政区域が広域化し伊予市という新しい自治体に組み込まれました。また双海町という小さい地域に暮らす人々は道路網の整備と情報網の整備によって暮らしのあり方が変わり、買い物も隣町へ車で行く時代になるなど広域化しています。住民組織も合併の影響で外への広がりが見られています。
一方人々の暮らしはどちらかというと縮小傾向にあります。人口が減り、少子化が進み、高齢化により集落の機能は限界集落といわれるように高齢化率が50パーセント近くになろうとしています。農業は担い手が減少し高齢化による生産能力が低下、所得も中々伸びません。最も大きな変化は商店街の消滅で町内での買い物さえままなりません。漁業は生産量が年々減少しています。婦人会や青年団は消滅寸前です。PTAも役員のなり手がないと悩んでいます。合併によって行政サービスは低下の一途を辿っています。給料は上がらず生活は苦しいと嘆いています。学校も子供の数が減って空き部屋が目立ちこのままだと統合しないと部活もままなりません。
これも全て時代の流れなのでしょうが、「時の流れに身を任せ」るだけで諦めて何もしなかったら、地域は悲しいかな消えてなくなってゆくかもしれません。拡大だけがいい社会ではないことはバブルの崩壊で嫌というほど味わいました。縮小も平成の合併で只今悲哀をなめています。どちらにしても自分や地域の自立を考え行動しないと生きている意味がありません。さあ勇気を持って力強く生きてゆきましょう。
「わが家でも この二十年 変化あり 子ども三人 婆二人減り」
「増えたのは 家族みんなが 二十歳 歳を重ねて 高年齢」
「借金が 減って身代 増えました 汗し働き 今があります」
「妻の腹 増えて胸やせ 二十年 老い先短く 食も細りて」