○三軒のお店
昨晩は三軒のお店へ行きました。これも大事な文化研究の研修なのですが、お酒の飲めない私としてはもっぱら食べることに専念しました。一軒目は大東ソバを食べに食堂のような所でこだわりのそばを食べました。麺食いの私としては、ちょっと物足りない感じもしましたが、それでもうどんに似た食感やスープの味は大東島の香が口いっぱいに広がって美味しかったです。
2軒目の店は食通が通うこじんまりとした飲み屋でした。止まり木に座ってさまざまな今まで61年生きてて食べたこともない沖縄の海と山の幸を堪能しました。海ぶどうと沖縄の豆腐は門田さんなどお変わりするほどです。沖縄の食べ物は自然食品がふんだんに取り入れられてご馳走でした。特に豆腐は木綿豆腐で驚くほど硬く、塩辛などを薬味として乗せて味わうのですが、豆腐には口うるさい私の舌をうならせるものでした。
3軒の店は沖縄民謡の店でした。三味線の音色につられ思わず夏川さんの「涙そうそう」を熱唱してしまいました。それにしても沖縄の人は三味線と太鼓が鳴り出すと立ち上がってみんな踊るのです。その様子は四国徳島の阿波踊りに似ていまして、私も思わず踊ったら、『お客さんおじょうず」とお世辞を言われ有頂天、おかげ様で少し体が張ってます。
沖縄の店は何処へ行っても近頃の日本人が忘れている何か郷愁のようなものを感じます。人なつっこい正確がそうするのか、時々何を言っているのか分らない方言で喋るのですが、これがまた田舎者の私にはピッタリで、会話が弾みました。そしてその会話に弾みをつけたのはやはり泡盛といわれる沖縄独特の酒でした。カウンターの後ろには名前さえも覚え切れないほどの泡盛が並べられ、試飲と称して古酒10年なんてラベルの貼ったアルコール度数45度以上の泡盛が注がれ、飲むほどに酔うほどに分ったような顔をして泡盛談義は熱を帯びてゆくのです。
3軒の店を出る度にお足代を勘定し財布を開けるのですが、物価が安いと感じました。松山辺りだと飲み代は普通一軒5千円くらい、沖縄では3千円程度でした。その安さが「もう一軒」と進んで3軒の梯子酒となっなったので、結局は昨晩の飲み代は〆て1万円也といったところでしょうか。それでも旅の楽しみとしては安い交遊でしたし、愛媛県といえば沖縄では決してメジャーな地域ではないだけに、ちゃっかりと名刺を配り、ちゃっかりと宣伝をしまくりました。一週間後に再び沖縄へ行くので時間があればまたこの3軒全てとはゆきませんが立ち寄って見たいものです。
「酒を飲み方言語って箸進め今宵沖縄最後は歌で」
「口開けたハブが私を見つめてる泡盛瓶の不思議なるかな」
「お願いし蛇味線弾いてみたもののまるで雑音耳をふさがれ」
「路地裏に響く蛇味線太鼓の音リズム取るよに思わず手足が」