人間牧場

〇叔母のてかがみ投稿

 私より年齢が1つだけ年上の叔母がいます。私の親父は12人兄弟姉妹の長男、叔母は末っ子です。兄弟姉妹が1~3人の現代では、考えられないくらい昔の田舎は子沢山だったゆえに、こんな珍現象は珍しくありませんでした。私が子どものころは同じ家に大家族で暮らしていたので、一つ年上の叔母とはまるで兄弟姉妹のように育ちました。縁あって叔母はわが家の漁船に乗り込んで働いていた近所の人の元へ嫁ぎましたが、数年前夫に先立たれてからは、息子と同居の慎ましやかな暮らしをしています。

てかがみ特集叔母の記事

 わが妻とも年齢が近いため話が会うのか、叔母ではなくまるで姉妹のように頻繁に出会っているようです。叔母は誰に似たのか筆まめで、愛媛新聞の投稿欄に投書したり、てかがみという会にも所属していて、それらが新聞に載る度に、切り抜いたりして保存していますが、今月の21日にも「てかがみ特集」という一面全紙の一番目立つ上の所に、叔母の記事が載りました。早速ダイニングで妻に読んで聞かせてやりましたが、内容があって中々の文章で、内心その文才に多少驚かされました。

 叔母はまだ72歳と若いものの、老人クラブの会計を頼まれてやっているようです。ゆえに老人クラブの会合にはよく出席していて、てかがみに「忘年会」と題して書いた文章には、老人クラブの楽しかった様子が微細に綴られていました。私も既に72歳となり、町内の老人クラブへ入会するよう誘われていますが、「私はまだまだ若くてそんな歳ではない」と見栄を張って入会していませんが、先日も老人クラブへ入会していないのに高齢者サロンの案内が届きました。丁度その日は遠出の出張があって参加できませんでした。

 叔母の文章を読むと、「老人クラブも中々楽しそうだ」とか、「私もそろそろ」なんて気にもなりますが、私にはまだやらなければならないことが一杯あって、もう少しはそんな余裕がないというのが正直なところです。叔母の文章の末尾に書いていた、「何かの役に立ちたいとの思いはあっても、声がかかるのは老人会だけ。せめて元気でいることが医療費と介護費の節約につながると、せっせと畑へ通い野菜づくりに精を出す」、そんな健康で穏やかな老後を送りたいと思いました。

  「人生は 何があるかは 分からない 今を受け入れ 穏やか暮らす」

  「叔母だけど 歳はひとつか 違わない まるで兄弟 同じ環境」

  「新聞の 投稿欄に 叔母の記事 頷きながら 読んで聞かせる」

  「老人会 度々誘い あるけれど さてどうしよう 心乱れて」

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