人間牧場

○私の9月の自画像

 先日行きつけの散髪屋さんに男前を上げに出かけました。定期ではなく不定期ですが、私の場合は髪型が短いタイプの散髪なので、髪が少し伸びると耳にかかって煩わしいし醜いので、大体月に一回程度は散髪をしています。最近は省エネ散髪というのがあって、千円そこそこで散髪をするお店が隣の街にはあるようで、小遣いが少なくなった退職組は、出かけたついでに利用しているようですが、私は慣れ親しんだ地元の散髪屋で、慣れ親しんだ髪型にしてもらっています。私が「散髪に行く」と言えば家族全員が私の頭を見て、「どこを刈るの」と笑われますが、それでも一回の散髪料が3400円と、省エネ散髪に比べれば3倍ものお金を払って、男前に磨きをかけているのです。

 散髪くらい気持ちのいいものはないのでしょうか、私は日ごろの疲れもあるのか、僅か50分くらいの短い時間なのに、殆んど毎回ついウトウトと浅い眠気が襲うのです。「すみません。つい眠くなって」と断わるのですが、散髪屋の大将に聞くと殆んどの人が、私と同じような行動をするというので少しばかり安心し、同じ事を繰り返しているのです。
 散髪屋さんのリグライニング椅子に座り正面の鏡を見ながら、大将の鋏さばきを見ながらする世間話も、中々面白い私の知らない話が多く、昔から散髪屋と風呂屋は色々な人情話や世間話に花が咲くというのは、どうやら本当の話のようです。髪を切るのは大将、顔を剃ったり洗ったりするのは奥さんで、二人の息もピッタリです。

これが私の今月の自画像です

 散髪が終わりをむかえるころ大将が、「若松さん、あなたは白髪が少ないですね」と誉めてくれました。その言葉に促されて鏡を見ると、確かに私の髪は時々「染めているの?」言われるほど、歳の割には白髪が少ないのです。もうこの歳になると白髪や禿が目立つものですが、まだ禿た部分も見当たらず、大将に「顔が悪いのですからせめて髪の毛ぐらいはよくないと」といって、多いに笑わせました。
 最近はストレス社会とでもいうのでしょうか、若い人でも髪の悩みを持った人が多く、また「娘脱毛母育毛」とか、「日本人だが何故茶髪」と笑い話があるように、髪の話題は留まるところを知らないのです。まあ若い頃は別として歳をとったらそれなりに、白髪になりそれなりに禿てくるのですから、そのままを受け入れて、それなりに生きればいいと思うのです。

  「散髪屋 大きな鏡 映る俺 歳相応と 自分納得」

  「そういえば 白髪少ない 気もするが 白髪増えても 染める気もなし」

  「顔悪い せめて頭は 人並みと 笑いながらも 散髪進む」

  「この顔で 六十七年 生きてきた これから先も この顔宜しく」

 追伸 数年前からブログにて自分の顔を月一程度記録することを始めています。「何て馬鹿なことを」と思うでしょうが、実は自分くらい自分を知らない人間はいないことに気がつきました。そこで折々に自分の顔写真をデジカメの自動シャッターを使って撮っています。こうしておけばいつ死んでも、遺影が間に合う手はずです。(大笑い)「自分で自分の写真を撮る人なんて聞いたことがない」と、妻の口をして呆れさせています。

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