○随分近くなった宇和島
昨日は松前幼稚園と宇和島市保育所園長等研修会の講演ダブルヘッターで、何かと忙しい一日でした。予定では最初、松前幼稚園での講演が11時30分終了となっていましたが、プログラムが早く回って、11時過ぎに私の講演が終りました。本当は園児たちとカレーパーティに参加しなければならなかったのですが、園長さんに無理を言って会場を後に、伊予インターチェンジまで地道を走り、そこから高速道路に乗りました。
伊予インターに乗ったところで大粒の雨が降り出し、急ぐけどスリップ事故を起こさないよう自制気味なスピードで大洲~西予と進み、西予から宇和島までは高速道路も無料とあって、少し交通量が多いなあと感じながら1時間20分ほどで、12時30分に会場となる宇和島市役所地下1F会議室に到着しました。
私にとって宇和島市役所界隈は、50年前宇和島水産高校に遊学した折、近くの桝形町に3年間下宿していたこともあって、懐かしくもよく知っている、いわば第二のふるさとでもあるのです。当時は国道といっても道が悪く、唯一の交通機関は国鉄で、終着駅だった宇和島へは鈍行の蒸気機関車に揺られ、延々半日をかけなければ来ることができなかったのです。ところが最近開通した高速道路を使えば、伊予インターから宇和島インターまで僅か1時間余りで宇和島へ行けるのですから、隔世の感がするのです。でも蒸気機関車に乗って窓越しに見えた法華津峠からの遠望や、宇和盆地、肱川沿線、長浜の赤橋、瀬戸内海は私の旅情を存分にかき立ててくれていました。伊予インターから宇和島インターまでは高速道路といいながらまだ一車線なので、車窓に広がる風景を見る余裕等なく、ただ「早い」「便利」だけのようでした。
研修会に先立って、用意していただいた「かどや」という料理屋特製の、美味しい弁当をいただきながら、私が来ることを知ったらしい土居市議会議長さんや佐々木監査委員さんたちが入れ替わり立ち代わり控室に見えられ、久しぶりに交友を温めました。土居さんは水産高校の後輩だし、佐々木さんは元公民館主事なのです。
元小学校校長だった園長連絡協議会の会長さんの話によると、会長さんは愛媛県校長会と、平成17年に園長さんの保育所で私の講演を聞いているそうでした。その話を聞いて一瞬たじろきましたが、90分間多いに盛り上がったお話をさせてもらいました。
講演終了後宇和島と合併した吉田町出身の泉議会事務局長さんからお声がかかって議会事務局へ立ち寄り、また谷本さんや松本課長さんのいる商工観光課へも顔を出し、楽しい会話を終えて、再び帰路に着きました。
宇和島地方が中心になってこの春から秋まで南予いやし博が開かれています。高速道路の開通に合わせたこの催しで遅れが指摘されている南予地方が活性化することを祈っているし、高知南西部との交流がさらに進むものと思われますが、くれぐれも一過性に終ることなく住民が主体となった来年以降に続く効果を期待するのです。
かつてしまなみ海道が開通した時も、イベント屋の仕掛けが主流を占めて地元が予想したほど動かず盛り上がらず、結局一年後には閑古鳥と悪評を叩かれましたが、地域づくりはあくまでも地元が主体なのです。来月には愛媛の三大祭りといわれる、和霊さんの牛鬼祭りも開かれます。高校時代以来行ったことがないこの祭にも、妻を誘ってそろそろ出かけてみたいと、商工観光課の壁に張り出された大きなポスターを見て思いました。ふと下宿のおばちゃんは元気だろうか?と、懐かしい顔を思い出しました。
「宇和島が 高速お陰 だんだんと 近くになるが 思い出遠く」
「高速は 周りの景色 見る余裕 殆んどなくて 思い出残らず」
「半世紀 思い出遠く なりにけり 下宿おばちゃん 元気にしてか」
「牛鬼の ポスター見つつ 和霊祭 妻に見せたい 今年は行こう」