○6月の台風は極早生系
台風は夏の終わりから秋口にかけて来るものと思っていたら、最近の台風は成熟の早い人間やごく早生系の多い農作物と同じように、梅雨真っ最中の6月に2個も台風がやって来て、そのうちの一つである台風4号は昨日の夕方和歌山県に50キロ以上の猛スピードで上陸し、一気に日本列島を縦断、今朝6時には東北のはるか沖合い太平洋の彼方を北進中のようで、招かざる客は日本の各地に大きな爪跡を残して去って行きました。
かつて九州や四国は台風銀座といわれていて、これまでも枕崎台風や室戸台風など数多くの台風がやって来ましたが、最近は地球温暖化の影響でしょうか、有り難いことに九州や四国へは上陸を免れているようです。
四国は太平洋に面した高知と徳島、瀬戸内海に面した愛媛と香川がありますが、愛媛の宇和海側を除けば四国のほぼ真ん中に石鎚山や剣山を結んで延長するように四国山脈があるため、台風はこの山々が衝立の役目をしているのか、香川や愛媛は、高知と徳島に比べ、台風への安心度に関しては少し様子が違うのです。今回も雨こそかなり降りましたが、その雨も高知県から比べればものの比ではなく、雨も風も普通の梅雨時期といった感じで、台風が過ぎた吹き返しの風も少し涼しい程度だったのです。
私は昨日二本の電話をかけました。一つは北海道佐呂間町に住む井田貴子さんです。井田さんには先日2度にわたって美味しいホタテの稚貝を宅配便でどっさり送ってもらっていたので、お礼と近況報告でした。井田さんは漁師さんでありながら地域の特産品のカボチャを使って、カボチャビールを作るという一風変わった研究を、東京農大網走キャンバスの講座に通って続けています。先日佐呂間に講演で招かれた時色々な話を聞いていたので、その後の様子を聞きました。その折「そちらは台風で大時化でしょう」と気遣ってくれました。聞けば今年は北海道佐呂間も冬の寒さが厳しくて、春が来るのが随分遅れたようでした。加えて春は例年より時化の日が多く、網操業が出来なかったと嘆いていました。
もう一本の電話は和歌山県古座川町に住む弟夫婦へです。偶然にも午後5時過ぎNHKテレビで台風情報を見ていたら、古座川町が中継地点として画面に出て、かなり激しい風雨に見舞われているようでした。弟の話によると昨日は朝から雨で外にも出あられず、雨戸を閉めて息を凝らすように台風の通過を待っているとのことでした。ついでながらわが近況、親父の様子等を手身近に話し、先日西日本の旅というテレビ番組を見たと嬉しそうに話してくれました。弟夫婦は和歌山でも潮岬に程近い地域に住んでいるので、お互い台風が来る度に、こうして近況を寄せ合っているのです。
最近は天気予報の精度が確実によくなって、いち早くその対応の仕方がテレビやラジオで伝わるため、転ばぬ先の杖のようで大助かりです。今回も6月の台風上陸としては11年ぶりだとか、過去の台風とよく似たルートを辿るから気をつけるようにとか、様々な分析結果が事前に知らされましたが、残念ながら1人の死者と50人を超える負傷者が出たものの、ホッと一息といった感じです。
梅雨の時期なので秋台風のような台風一過の青空は望むべきもなく、今朝も少しどんよりとした曇り空のようです。朝食でも終ったら家や人間牧場の周辺見回りをしようと思っています。
「近頃の 台風極早生 系かしら? 首をかしげて 台風過ぎる」
「わが地域 雨風ともに 少なくて ホッと一息 台風一過」
「講演の 延期通知で 一日を 手持ち無沙汰で のんびり過ごす」
「そちらどう 互い電話で 台風の 様子伺う 便利世の中」