○タマネギの収穫
昨日は午前中、NHKのディレクターが取材のためにやって来ました。夕日にまつわる取材だそうで、一通り色々な話を電話でやり取りして、人間牧場が見たいというので案内することになりました。転勤族のディレクターなので双海町まではタクシーで着たとか、そこからわが家まで携帯電話でいつものように、「地域事務所から歩いて400mくらいなところにカーブミラーがあります」なんて説明をして、歩いて来るディレクターを県道まで迎えに行きました。わが家で息子嫁の入れてくれた絞りたての梅ジュースで、喉を潤しながら煙会所でお話した後、軽四トラックで人間牧場へ向かいました。ディレクターは一応にその道中の道の狭さや土地の急峻さに驚いていたようですが、急峻故水平的な土地利用をしている人間牧場の充実ぶりに目を見張っていました。
昼食時間でしたがシーサイド公園でディレクターを降ろし、わが家に帰って急いで昼食を済ませ、親父に頼まれていたタマネギの収穫をしました。親父にしてみれば梅雨間近な天候なので、早く収穫したいと思うのか、気が気ではないようでした。前日の降雨で畑は幾分湿っていて容易に引き抜けましたが、親父は私が引き抜いたタマネギの茎を残して葉っぱを切り取る作業をしてくれました。苗は500本植えたのでかなりの量です。今年は春先が少雨気味で近所の人は、タマネギの太りが今一だと言っていますが、わが家は菜園に引いている井戸水を、親父が適当に散水したお陰で、近年になく玉太りがよくって大豊作のようです。収穫したタマネギはザルで運んで東屋の軒先で陰干しをすることにしました。土間に板を並べて敷き、その上に行儀よくタマネギを並べて行くのです。友人の塩崎さんと自宅で待ち合わせている午後4時30分までには、なんとしても片付けたいとせかして、やっとの思いでタマネギを取り込みました。
今朝親父が私を呼びに来ました。タマネギの陰干しをしている場所へ行って見ると、既に朝早く起きて作業に取り掛かり、タマネギの古い薄皮を剥いて、長いキャリーに幾つか並べていました。こうすることでタマネギの腐敗を防ぎ、茎の部分を日向に干して枯らし、紐でくくり易いようにするのです。毎年の事ながら親父の気の遠くなるような作業に、ただただ驚き感謝するのみなのです。
親父の言うがまま、皮を剥いたタマネギを庭に運んで日干しにしています。夕方取り込み天気が良ければ2~3日乾燥して10個くらいを一束にして、煙会所の軒先に吊るすのです。皮を剥いた白い肌のタマネギの表面が再び薄黄色になったら完了です。
それにしても年寄りの仕事は瞬発力はないものの持続力によって、若い私の近づくことのできない成果を上げるのです。ふとこの作業は近い将来、私の仕事になるのだろうと思いました。いやはや先が思いやられます。
「タマネギを 今年も親子 収穫す 手間暇かけて 食べれるように」
「この仕事 近い将来 誰がする? 多分俺だと 思う憂鬱」
「年寄りは 手間暇かけて アリのよう 私にゃとても 真似ができない」
「タマネギを 軒先吊るす 風物は 田舎ならでは インテリアのよう」